メインのことはパッとしない
「これより、取り調べを始める。」
目の前にいる青白いロリはどうやらトレイという名前で、レベル7のクローンらしい。俺も何言ってるかよくわからん。
「とりしらべ?」
「そう。君のことよく知らんから色々聞くの。」
「オーケー!把握したんだよ!」
さて、じゃあまずは。
「さっきクローンって言ったな。元の奴の記憶はある?」
「いいや、なにもないよ。私が作られた段階でもう死んでるもん。」
「なるほどねー。もう死んでるっと。それはよくて。(よくない)次。何であんなところにいたの?」
「あそこが私の家だもん。当然いるよ。」
可哀想に。研究所を家だと思ってる。
「それじゃ、持ってる能力は?あのちょっと冷たい空気と、他は何?」
しかし、トレイは全く驚いた様子で 少し間を開けてからとんでもないことを言いやがった。
「え?あれ以外に何もないんだよ?」
「へぇー。……………………はぁ!?」
ちょっと待て、俺、多分お前狙って研究所行ったんだけどちょっと冷たい空気出すだけの奴取りに行ったの!?まぁいいか。とりあえずは。
「それじゃあ、取り調べ終わり。君もう帰っていいよ。」
「あれ?おわり?まだお話しないの?」
「うん、もう終わり。それじゃあ研究所に戻ろうか。」
はい、忘れてました。あの研究所そう言えば襲撃されるんだっけ。
「弱ったな……ここまで来るの時間かかったのに。ってトレイ?何探してるんだ?」
見ると、トレイが瓦礫の隙間や割れたガラスをどけて何かを探してる。
「ねぇ、私がいた部屋に、ほかになにか無かった?」
「え?いや、何も少し急いでたもんだから、詳しく見てないんだけど……。おや?あそこにあの部屋っぽいのあるじゃん。」
………見て後悔した。
あの部屋があった場所には破壊されたコールドスリープ装置が散乱していた。
「デュース?シックス?なんでみんな動かないの?」
装置の隙間から死体が見えた。損傷は酷いが、顔は判別できた。トレイによく似ていた。
おそらく、トレイの言うデュースやシックスとはこいつらのことで、襲撃された際に装置を破壊され、そのまま殺されたんだと思う。
名前的に、多分同型のクローンだろう。
「瓦礫をどけたら動くかな?ちょっと、………そう言えばなまえを聞いてなかったね。あなた、ちょっと手伝って………」
トレイの足がコールドスリープ装置にぶつかり、そのまま開いた。酷い遺体を見たショックで、トレイは声も出なかった。
「……………戻る?」
「…もどる。後、あなたの家に居候するね。」
はーい、了解しま…………居候!?
家に帰るとかじゃなくて!?あ、こいつの家ここか。
まぁ別にいいか。減るもんじゃないし、あのクソどもの持ってきた仕事でまぁまぁな金がある。暫くは余裕だろ。
「ねぇ、あなたの名前は?どうせならここ風に言ったほうがいい?」
ここ?
「小説家になろう。」
「君の名前を教えてくれ。」
どっからそんな声出るんだ………
「加古川レール。」
「れーる?ハーフのひと?」
「いんや、本名知らんから、研究員の人につけてもらった。アイツに聞くんじゃなかった…………ペットに浅倉って付けるやつだし。」
「へぇー。よろしくね!れーる!」
「へーい。こちらこそよろしく、トレイ。」
2人は沈んだ心を癒すべく、帰路についた。
レベル7クローン強奪作戦 調査報告書
1号機 抵抗により処分
2号機 配送途中に紛失
3号機 脱走。指紋が付いていたことから、何者かの協力があったと推定。
4号機 同様の理由で処分
5号機 同様の理由で処分
6号機 同様の理由で処分
7号機 既に脱走
最重要目標 捕獲失敗、既に脱走と思われる
という訳で、第3回にしてようやく主人公の名前が「加古川レール」と判明しました!レール君の今後の活躍にご期待ください!




