覚悟からのビギニング
「着いたぞ、ここだ。」
薄暗い研究所。どうやらまだ襲われてはいないようだ。
「早く行け、奴らが来ない内にさっさと!」
妙に急いでるな。そんなにヤバイ物なのかな?
そんな事を考えていた少年の顔面に地図が投げ渡された。
「ほら、これの第四研究室!そこにある箱を取ってこい!」
「へーい。ちなみにどのくらいの大きさでしょうか。」
「棺桶くらい。」
デケーよ!仮にも17の子供にそれ持たせるんか!
などと不安になりつつも、嫌々研究所の壁を手持ちのナイフで切り開けた。
「このナイフって全然型落ちしないんだよな~。もう2年くらい使ってるのに刃毀れすらしてない。っと。早く終わらして帰るか。」
第四研究室。ここだっけか。
どんだけ深いところにあるんだよ。エレベーターが全く動いてなかったぞ!まぁ、400年以上前の骨董品に文句言うのもね。※この世界では西暦2400年を超えています。ちなみに元号は令和です。
「これ……かな?」
無駄にデカい箱がそこにはあった。聞いてた通り棺桶くらいである。しかもクソ重い!何だこれ!?
……………。
やっぱり…中は気になるよね?
「レッツ、オープン!!」
中に入っていたものは、
「何だ、コールドスリープ装置か…。今どき珍しくもないけど、この機器は高性能だね。」
黒い箱。見るからに硬い黒い箱。コイツはコールドスリープ装置。最近、老い先短い老人がよく使うらしい。
「期待してガッカリだよ。もうとっとと帰るか……」
プシューーー。
ドライアイスみたいな音。っていうかこれはコールドスリープが溶けた音だね。中にいるんかい!?
こりゃどんな化け物が出てくるのか……………
唖然だ。最早なんだこれは?
持って帰れって言われた奴の中身気になって開けたらはいびっくり、そこには青白い髪のロリが寝てました。………………何で?
あの野郎、ロリコンだったのか。趣味で人を動かすんじゃねぇよ。
「…………。」
そういや、びっくりするくらい何も言わないなコイツ。じゃあ少し失礼してもっかいコールドスリープを……
「……あの人たちと、おなじ。」
え?何て?
瞬間、辺り一面に冷気が広がった。
寒ッ……………くはないな。
この感じ、扇風機の中くらい?とするとレベル1。というかそれ以下だな。これじゃあ無能力とあんま変わらん。
「ちょっと眠っててもらおうか。」
その青白いロリの首をナイフの柄でぶっ叩いて……
首元に傷。それはもうすごい虐待痕。よく見たら色んなところについてる。
瞬間、ナイフの柄でぶっ叩いたら、逆にこのロリの印象を悪くしてしまうと判断。
逃げられでもしたら仕事が増える。
なので、そいつの手を握って、再生能力を入れてやることにした。見る見るうちに虐待痕は治っていった。
治った自分の体を見たそいつは喜んでこちらに目を向け、何か言葉を発しようと………
ーした瞬間、眠そうに気絶した。
この再生能力はまぁまぁ体に負荷がかかる。コイツくらいなら、まぁ疲れる程度。気絶には持って来いだ。
そんじゃ、もう面倒くさいしこのまま抱えていこうか。コールドスリープ装置はバラして持ってこう。
ーーと、思ったらさっきの男達がこっちに来ていたようだ。お迎えご苦労。
「あー、既に終わったよー。じゃあさっさと帰りま」
そいつらは普通に銃を向けていた。
「……これはどういうつもりかな?」
「たった昨日だ。お前の殺処分が決まった。お前もういらないってよ。」
「あら、そう。」
「そして、兄貴と俺はお前の処分ついでに、ここにある凄い物を頂いて組織乗っ取ろうと。」
「凄いもの?コイツはレベル0と1の狭間を突っ走ってるような奴だったけど。」
……………。
「そんなバカな!噓を付くな!」
噓も何も。
「今更、命が惜しくなったか!残念だが、俺らに嘘は効かねぇよ!」
噓じゃないって!!
畜生、逃げよう!
後ろから銃弾の雨。幸い何とか助かっとるわ。
にしても、さっきから背負ってるこいつが邪魔だな。
……よく考えたら何でこいつ背負ってるんだ?俺、もう組織に捨てられたからコレいらなくない?
一旦隠れて、様子を見る。
奴らはアホなので、真っ直ぐ追いかけていきます。
「素直な奴は騙されちゃうよ?覚えておきな。」
さて、じゃあ余裕ができたので。
ここの木にでも寝かしておこう。じゃあ、まだ実験動物のモルモットだろうけど、まぁ来世では良いことあるさ……………………。
本当に何やってるんだろ、俺。あいも変わらず背負ってるこいつに何を感じたんだろう?
こいつが実験動物になるのが嫌だった?
コイツで悪巧みをするアイツらが気にくわなかった?
それとも唐突にロリコンに目覚めた?
全部だな。(ロリコン以外。)
よし、決めた。俺はやることにした。もう後戻りしない。てか出来ない。
「おぉい!!クソ野郎ども!お前らの鬱陶しいモルモットはここにいるぞ!そしてよく聞いておけ、お前らの組織いつか滅ぼしてやる!俺今日から仮面ラ○ダー!」
「「何だと!?」」
あ、見つけた。
「お前らの組織潰したらてめぇら全員ハロワ行きだ!次の職でも探してやがれ!真面目に働け!」
「このクソガキ!」
もう目の前に来ている。後戻りなんてできない。
放たれた大量の銃弾が俺の体を貫く。
そう言えばもう忘れてるかな?俺の能力!
「馬鹿な……これでも死なないのか!?」
「お前らがくれた能力すごいよ、ありがとう!それじゃあ、死んでもらおうか。」
俺がゆっくりと近付いていく。あぁ、あれ忘れてたね。
「ち、近づくな!コレ以上近づいたら、てめぇの首を吹き飛ばしてやる!」
「やってみろよ」
「は?」
「やってみろって言ってるんだ!ここまで来たらもう試してやりたい!さぁ!さぁ!」
「ひぃ!」
ボタンは押された。瞬間、首輪は熱の刃を作り出し、奴の首を吹っ飛ばした。
「やった…………やったぞ!呆気ないな、イキったクソガキ!」
「ハァイ♪」
生首が意思を持っていた。そして気軽に話しかけてきた。
「ヒィィィィッッ!!気色悪ッ!!」
「ちょっと、胴体もうちょっとその辺。よし、OK。」
首と胴が引っ付いた。もう素晴らしいほどに元通り。
「ハイ、じゃあそろそろ終わろうか、そこの弟クンは帰っていいよ!」
「待て!兄貴に何を……!」
投げられたナイフはしっかりの兄貴の顔を引き裂いた。
「ギャァァァァァァァァァ!!俺の顔がぁぁ!!」
眼球と鼻から血を出し、切断された唇は花みたいに綺麗に裂けている。
「それじゃ、終わり。」
ナイフによって引き裂かれた顔は、脆くなっていた顔は、蹴り一発で呆気なく崩れた。
「……嫌いじゃなか………いや、嫌いだわ。あの世でも苦しんでろクソ外道。」
残った弟クンはビビって逃げていった。
「それじゃ…帰るか。」
とあるマンションの一室。
「それじゃ、事情聴取といこうか?青白ロリちゃん?」
目を覚ました青白ロリをとりあえず問い詰めよう。そもそも組織が何でこいつ狙ったかは個人的にも気になる。
「キミの名前は?言えるかな?」
「私、トレイ!レベル7クローンタイプの第3番目!」
「なるほどねー。レベル7クローンタイプの3番目ねー。だからトレイねー。」
…………………。
!?
ちなみにトレイというのはヨットの役で3が増えれば増えるほど点が大きくなる役のことです。勉強になったね。




