不死身の傭兵
異能力。
それはこの都市で大きく普及した特殊能力。
能力発現装置でDNAを読み込む事で人間の中に潜む能力を作り出すもの。しかしながら、人間には限界があった。
人間が耐えきれるほどの能力には、強い物は少なかった。全体の6割ほどが能力レベル2と言われ、最大レベルである10に到達するのはほんの一握りであった。
科学者は、というか人間は欲深い。レベルが欲しかった。とにかく高いレベルが欲しかった。
『ウェポン計画』
異能力は人のDNAを大きく傷つける機能がある。そこで、レベル6にあたる能力、再生を最初に発現させ、耐えた者にレベル7以上の能力を発現または、再生を使用する傭兵部隊を作り出す。
ウェポン計画は多くのレベル2を使って行われた。
犠牲者32名、廃人化5名と言った悲惨な結果を作り出す原因になったが、科学発達には大きく貢献し、我が国は安泰となるであろう。
とあるマンションの一室に、銃で武装した人間がドアを叩く。ガスマスクのようなゴツイマスクを着け、まるでSWATのような防弾服を着ていた。
「開けろ!ここにいることは知ってるぞ、出番だ!」
リーダーの男が激しく怒鳴った。
しかし、ドアが開くと、現れたのは気怠げな目をしたいかにもこんな奴らと関わりそうにもない白いコートを着た17歳ぐらいの少年だった。
「何だ?また出番か?勘弁してくれよ、この前出たばっかだろ。他の奴らはどうした?」
「全員死んだよ。どいつもこいつも弱かった。」
「そうか……。今回の仕事は?」
「研究所が能力者に襲われた。そこにあるサンプルが破壊されない内に回収してこい。」
「サンプルねぇ……。一応聞いとく。人間じゃあないよな?」
「問題ない。人間ではない。」
「じゃあ了解。あ、送迎はよろしく。」
「それくらいはしてやる。」
少年は男達に付いていき、黒一色の車に乗り込んだ。
暗い森の中を、車が走る。少年が乗った車である。
「兄貴、本当に大丈夫なんか?あのサンプルは計画でかなりの重要性を持つぞ?」
助手席の男が運転席の男に尋ねた。
「大丈夫…とは何だ?アイツはこの部隊の中で指折りの実力者だぞ。」
「え…?あんな子供が?」
「子供と言うには若くはないが、あの青い奴は再生能力の実験を受けた。幾ら殺しても死にやしねぇ。それに、奴は実力テストの模擬戦で対戦相手の同能力者5人を殺害している。それも無傷でだ。科学界ではまぁまぁ有名なやつだ。」
「へぇー。にはとてもじゃないけど見えないな。」
男が言う有名な奴は、後部座席でそりゃあもう気持ちよさそうに寝ていた。
「にしても、俺達はそんなに凄いものを抱えているとは。正直、少し怖いや。」
「何言ってるんだ?」
リーダーは首を傾げた。
助手席の男は慌てて聞く。
「同じ能力者を抹殺できる奴だろ?無能力の我々じゃあ、何もできないだろ?」
「いや、幾ら強くてもアイツはただのガキだ。我々の言う事には従順だし、それに奴の首を見てみろ。」
見ると少年の首には謎の装置が付いていた。
「あれ、何?さっきから気になってたんだけど。」
「制御装置。奴が我々人間に牙を剥くようなら、ボタン一つで首を焼き切るようにプログラムされてる。」
「グッロ。仮にも同僚なんだから仲良くしないと。」
「同僚?奴は人間ですらないさ。」
「え!?実は宇宙人とか?それともホムンクルス?」
「漫画の読みすぎだ。あんな能力使えるやつはただの化け物だ。」
「ひぇー。兄貴すげぇや、猛獣使いみてぇだ!」
男達は高笑いをした。
しかし、後部座席の少年は気付いていた。奴らの態度は人間にするそれの範疇を大きく超えている。
自分はただの化け物と認識されている。
それは既に分かっていることだが、訂正を求めて襲っても、ボタンで痛い思いをするのは面倒くさいので、諦めていた。
「ぶっ殺してやる、クソどもが……。」
小声で呟き、また眠りについた。
さぁさぁ始まりました、昔考えてた異能力バトル、遂に始まります。そしてやっとダブル連載のエンターテイナーだ!この後部座席の少年(仮称)が主人公です!
どうぞ、ご覧ください。




