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偏食家  作者: 池田圭


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豚骨醤油ラーメン 2杯目

 人間という者は、腹が減る。

 それは人が生きている上ではどうしようの無いものだ。

 そして、それを1番実感できるのは、仕事で残業をしてクタクタになっている時である。

 そんな残業でクタクタになっていた俺は、夜の街を歩き、一つのラーメン屋へと足を運ばせた。

 このラーメン屋は、俺が以前行ったことのあるラーメン屋で、自身の職場から徒歩10分ほどのところにある場所である。

 こういう、残業で疲れた時は、二郎系ラーメンという量爆盛りラーメンを喰いたいところなのだが、俺はとある事情により二郎系ラーメンは喰いたく無かった。

 この件について言えば、ハッキリ言って俺自身のせいなのだが、当分、俺は二郎系ラーメンを喰う気はしないだろうと感じていた。

 そう思いながら俺は、券売機に1000円を入れ、ラーメンのボタンと麺増しのボタンを押し、券売機に出された、券2枚とお釣りを握りしめ、カウンター席に座った。

 そして店員に俺は券2枚を渡した。

 すると店員は、味の濃さと麺の硬さについて聞いてきたので、俺はいつも通りのオーダーをした。

 腹が減って疲れきった俺は、ラーメンが来るまで、何もせず、ボーッとしていた。

 普段は考え事をする俺だが、今日の俺はそんなエネルギーも残っていない。

「お待たせしました。」

 その声と共にラーメンは、ボーッとしている俺の前に運ばれてきた。

 ラーメンの匂いは、俺の鼻に自然と入っていき、俺の脳を一気に活性化させる。

 俺はその匂いで覚醒し、ラーメンを即喰い始めた。

 美味い、美味い。

 やはり残業後に喰うラーメンは最高だ。

 美味しすぎて、今ならなんでも出来そうなほどだ。

 そんな事を思いながら、俺はラーメンを我武者羅に喰い続けた。

 そんな我武者羅に喰い続けたラーメンは、みるみるうちに減っていき、次第にそのラーメンはスープだけになってしまった。

 俺の至福の時間は、半分終わってしまった。

 そう思いながら、俺はスープをレンゲですくい飲み始めた。

 俺は、ラーメンを喰ってる時、飯を喰うことはしない。

 何故かと言うと、ラーメンとご飯は個人的にミスマッチしていると感じているからだ。

 ラーメン屋の中には、ラーメンの他にサイドメニューでご飯が存在するところがあり、更にいえば、ラーメンを頼んだお客さん限定で、ご飯が無料で着いてくるところもある。

 要するに世間一般では、ラーメンとご飯はセットで頼むものという風潮が一定数存在しているということだ。

 しかし俺は、ラーメンとご飯は合わないと考える。正直、ラーメンを喰うんだったらラーメンだけでいいし、逆も然りだ。

 だから俺は今、ラーメンの残りのスープをご飯と一緒に喰わず、そのまま飲んでいる。

 そんなことを考えながら、スープを飲んでいると、俺はひとつのことを思い出した。

 そういえば、うちの父親はラーメンとライスを一緒に喰っていたなと。

 スープを飲み終えた俺は、えも言えぬ満足感で腹が満たされた。

 やはり、残業後のラーメンは最高である。

 店を出た俺は、最近親に顔を見せていないことをラーメンのスープを飲んでいる時に思い出したので、今度、親に顔でも見せに実家にでも帰るかと考えながら、家に帰るのであった。

 ただ、仕事はまだ忙しいので、実家に帰るのは当分先の話になりそうだが。

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