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偏食家  作者: 池田圭


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ソフトクリーム

 ソフトクリームが喰いたい。

 仕事帰りのバスの中、座席に座り、窓の外を眺めていた俺は、そんな事を考えていた。

 あの甘くてトロけるようなスイーツは、仕事で疲れきった俺の脳を、甘さと冷たさで、ほろやかに溶かしてくれる。

 そう考えた俺は、バスから降りて徒歩40分くらいのところにある、ひとつのホームセンターについた。

 ここのホームセンターは、木材や家具等の様々なものを売っており、俺も家具を買う為に、ここに来る時が何度かある。特に俺のオススメはカラーボックスであり、俺の住んでいる範囲で1番安く売られている店舗はここしか無い。尚且つ、デザインが豊富である為、ここ以外でカラーボックスを買うことは考えられないほどである。

 しかし、俺は今回、そこのホームセンターには用はない。

 俺が用があるのは、そのホームセンターの中にあるカフェである。

 最近、自身が住んでいるところをよーく見てみると、どこかの建物に複合されたカフェをよく見かける。

 例をあげると、コインランドリー、本屋、図書館等、様々な建物に複合されているカフェが、数多く産まれている。

 今回、俺が訪れたカフェも、そのひとつだ。

 しかしながら、ホームセンターとカフェというのは、些か異端なような気がするのは、俺だけだろうか。

 コインランドリーは洗濯が終わるまでの暇時間を埋める為、本屋や図書館は、買った本、もしくは借りた本をコーヒーを楽しみながら、ゆったりと本を読む為と、複合されることでその施設の良さを活かすような取り組みをされている気がする。

 しかし、ホームセンターはどうだろう。

 ホームセンターは、コインランドリーのように、待ち時間がある訳では無いし、本屋や図書館のように、買った商品をコーヒーと一緒に楽しむということもしない。

 先程述べた施設は、カフェが複合する事により、何かしらのシナジーが産み出されてきたような気がしたが、ホームセンターの場合、そういうシナジーというものは、無いのでは無いだろうか。

 そんな事を考えながら、そのカフェを少し眺めながらボーッとしていた俺は、本来の目的を思い出し、ハッとした。

 やはり、仕事終わりでエネルギーが幾許か消費されてるせいか、脳に糖分が回っておらず、頭の回転に支障が出ている気がする。こういう時は、早く糖分を取らなくては。

 そう思った俺は、カフェの中に入り、店員さんにソフトクリームをひとつ頼んだ。

 ソフトクリームはものの数秒で、出てきた。

 俺は店員さんに料金を払い、カフェの中の席に座り、ソフトクリームを喰った。

 美味い。

 そう、俺が求めていたのはこれである。

 このひんやりとした舌触りと冷たさ、そして脳に染みる糖分。

 やはり、仕事終わりに食べるソフトクリームは格別に美味しい。

 更にもっと言えば、ここのソフトクリームは料金もお手頃なのも良い。

 通常、ソフトクリームというのは、安くても200円以上はするものなのだが、ここのソフトクリームは、なんとたったのワンコイン。つまり100円でソフトクリームが喰えるのである。

 しかも、ここのソフトクリームはカラオケのドリンクバー等についているソフトクリームとは違い、ミルクの濃さや甘みがしっかりとあり、美味しいというのも良いポイントである。

 昔は、某ハンバーガー店でソフトクリームを100円で提供していた時期もあったが、今ではそのハンバーガ店でもワンコインでソフトクリームを喰うことは出来ない。

 それなのに、ここのカフェでは、この物価高の時期にワンコインでソフトクリームを提供できているというのは、紛れも無く凄いことなのである。

 俺はそんな事を考えながら、ここのカフェの企業努力に感謝していた。

 ソフトクリームを喰い終わった俺は、カフェを後にし、ホームセンターからも出た。

 ホームセンターから出る途中、俺はあそこのカフェでコーヒーを飲んだ事が無いことに気づいた。

 カフェといったら、コーヒー。

 俺的には、カフェにそういうイメージがある。

 そして、俺はコーヒーは結構好きな部類に入る。と言っても、コーヒーの味や匂いといったものの違いは分からないのだが。

 今度、このカフェに来た時、コーヒーを頼むのも良いのかもしれない。

 そんな事を考えながら、今日も俺は歩いて帰るのであった。

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