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偏食家  作者: 池田圭


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半チャーハン

 ココ最近、中華料理を喰っていない。

 そう感じていた仕事帰りの俺は、漢字3文字の店名のラーメン屋に来ていた。

 ここのラーメン屋は、全国展開されているチェーン店で、ラーメンが安い値段で喰えるということで有名なところである。

 しかし、今回の俺はラーメンを喰いにここに来たのではない。

 そもそも、俺はここの店のラーメンはあまり好きではない。

 何故かと言うと、ここのラーメンは安さに拘りすぎている故、他のラーメン屋のラーメンに比べて、美味しさが負けているからである。

 まぁ、別にだからといって、ここのラーメンが不味いと言うわけではないのだが、このレベルのラーメンだったら、俺の腕さえあれば作れない訳ではないと思えるレベルのものだ。

 また、ここのラーメンは俺の嫌いなメンマが入っている。(まぁ、ほとんどのラーメン屋にはメンマが入っている為、それを気にしていたら、ラーメンなんてほとんど喰え無くなるのだが。)

 だから、俺はここのラーメン屋でラーメンを頼むことは無い。

 では、俺は何をしにここのラーメン屋に来たのか?

 それは、ラーメンで無い中華を喰う為である。

「お待たせいたしました。」

 そんな事を考えていると、店員さんが俺に声をかけてきた。

 店員さんは俺の前に2つの料理を並べると、俺の席を後にした。

 今回、俺が頼んだものは、半チャーハンである。それも2杯分だ。

 先程俺は、中華料理をココ最近喰っていないと述べた。

 しかし、俺はラーメンという中華料理をココ最近、何度か喰っている。

 なので、先程の発言は嘘であると言っても良い。

 しかし、俺はラーメンを中華料理とあまり認識していない。

 何故なら、ラーメンは日本発祥のものなのだから。

 普通、中華料理と言うのは、中国や韓国発祥の食べ物を指す料理だ。

 しかし、ラーメンは日本発祥の料理である。

 その為、ラーメンを中華料理というのはおかしなものだと、俺は考える。

 ラーメンは、れっきとした日本料理だ。

 味が美味いのは認めるが、コレを中華と言うのは、少し違うのでは無いのか。

 その為、俺はラーメンを中華では無く、ラーメンという分類で見ている。

 だから、俺の認識で言えばココ最近、中華料理を喰っていないと言うのは、嘘では無い。

 だが、傍から見ればこの発言は嘘、偽りでしか無い。

 でも何故、一般論的にラーメンは中華料理と考えられているのだろうか。

 そんな事を考えながら、俺は生粋の中華料理であるチャーハンをひとくち喰った。

 美味い。

 やはり、チャーハンはこのパラパラ感である。

 チャーハンというものは、米のパラパラ感を楽しむものである。(中には、しっとり系と呼ばれるチャーハンもあるが、俺はそのチャーハンを今のところ喰った事が無いので、今回はその話をしない。)この米のパラパラ感を出す為には、鉄鍋にご飯を入れ、それらを強火で均等に炒める事をする必要がある。

 この要素がひとつでも抜けると、米はそこまでパラパラ感が出ない。

 だから、フライパンでチャーハンを作るとなると、鉄鍋で炒めたものよりパラパラしないのだ。

 俺も家に鉄鍋が無い為、パラパラのチャーハンが作れない。

 というかそもそも、俺は卵に嫌われているのか、卵料理を上手く作ることが出来ない。

 天津飯やオムライスを作ろとすると、焼きすぎる故か、卵がふわふわにならず、薄いパンケーキを乗せた何かが出来るという具合だ。

 その為、俺が作れる卵料理は、卵かけご飯しか無いのである。

 そして、その卵かけご飯も、生の卵が俺の体に合わない為かいつもソレを喰う度、俺の腹が下る羽目になっている。

 要するに、俺は卵に嫌われているのだ。

 しかし、ここのラーメン屋では、鉄鍋を使い強火で飯を炒めることが出来る為、ちゃんとしたパラパラチャーハンを喰う事が出来る。

 卵に嫌われた俺がここまで美味いチャーハンを喰えるのは、嬉しい事である。

 そして何より、ここの店の良いところは、チャーハンの値段が他のラーメン屋より安いところだ。

 この半チャーハンを安い値段で喰えるなんて、幸せにもほどがある。

 そんなことを考えながら喰っていると、いつの間にか、半チャーハンが1杯無くなっていた。

 やはり、半チャーハン1杯では腹は膨れない。

 だから俺は今日、半チャーハンを2杯頼んだのである。

 ここに餃子を頼んで喰うのも良かったかもしれないが、今回はチャーハンだけを存分に楽しみたい。

 今日の俺の気分はそんな感じだ。

 そんな事を考えながら、俺は2杯目のチャーハンに手を付けた。

 そういえば、俺が子供の時、家族でよくここで外食をしていたことがあるな。

 確か、ここのラーメン屋はうちの近くにあったから、歩きで行ける事が出来て、なおかつ、酒も安いからという理由でよく連れていかれた気がする。

 両親は俺とは違い、酒が大好きな人間で、俺の記憶が正しければ、1日に1杯以上は酒を飲んでいた気がする。

 そんな両親を持つ俺が、酒が嫌いな理由は、親が酒を飲んで醜態を晒していたのが原因であると思う。

 と言っても、酒を飲む度にトイレの中に親がこもり、そこでゲロを出していたといったことぐらいで、酒を飲んだ親が暴れるなどと行ったことをされたわけでは無いのだが。

 けれど、そんな事をしてまで酒を飲んだ挙句、それを醜態だと親は思っていなかったことが俺的には嫌であり、もし仮に俺が酒を飲むようになって、トイレの中でゲロを出したとして、それを醜態だと思わなくなったのだとしたら、俺はそれが嫌である。

 だから、俺は酒を飲まないのだ。

 そもそも、酒は最近の研究により体に害しか及ぼさないと言われているので、そんな理由が無くても、飲まない方が体には良い。

 そんな事を考えながら喰っていると、俺は2杯目のチャーハンも喰い終えていた。

 俺はそのチャーハンを喰い終わると、会計を済まし、店を出た。

 店を出た俺は、子供の頃の思い出を少し思い出していた。

 あの頃の食事は楽しかったな。

 俺は酒は嫌いだったが、別に酒を人が飲むことは気にしていなかった為、酒飲みの両親との食事はそこまで嫌いでは無かった。

 特に、酒を飲む人との会話は、酒を飲まない人との会話より饒舌であり、面白い。

 最近、俺は1人で飯を喰うことが多くなったが、たまには誰かと一緒に飯でも喰いたいな。

 そんな事を思いながら、俺は今日も歩いて自宅まで帰るのであった。

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