6話
激しい討論の末に土屋さんの説得は何とか成功した 。
土屋さんは興味がある事に一直線な性格なようなので罪悪感はあるが俺に対する興味の意識を他にずらす事で矛を納めたのだ。
此処までの激戦はボケた爺さんの道案内する時以来だ。
「何か疲れたな。」
「途中立ち見客も出来るくらいには良いプレゼンテーションだったわよ。」
クスクス笑う小坂さんはガイドブックに目を落としてからから此方を見た。
「ここねぇ、私も個人的に最後行く予定だったから都合が良いと言えばいいけど。」
少しためらい気味な様子にもしかしてと思い聞いてみる。
「知り合いがいるサークル何ですか?」
「そうなのよ、一応今は仕事中な分けだから気まずいのよね。」
バイト先に知り合いが来ると対応に戸惑うからなぁ、いつもの調子で話すとあとで店長に怒られるし客として対応すると、からかわれるだよねぇ。
「俺は他のサークルでも良いですけど。」
「戸渡君が行きたいのを変える程でもないから大丈夫よ。それに上に報告が長引いて下手したら行けなくかも知れないところだったから丁度良いし行きましょ。」
目的サークルの有る通り来たがかなり通りの奥にようなので通り中央口にある地下通路入口と書かれた看板前まで来た。
入口は見当たらずに周りと少し違うタイルの床が敷き詰められてるくらいだけどどうするんだ?
「色の違うタイルより外にでないように気を付けて。“仮の主が命ず200番の汝と交代せよ”」
「っ?!」
えっ、呪文だと?!
生の呪文の感動してると床がゆっくり降下して地下の空間に着くと自転車で進むくらいのスピードで動きだした。
「これは古くから有る移動手段の設置型魔道具よ。一度決まった命令文は改変が出来ないから、古臭い呪文になるのよ。」
「俺からするとカッコイイ呪文だと思いますけど。」
呪文と言えばこの語り方良いと思うんだよね。
「カッコイイかは人それぞれだけど、私的には最新の魔術起動システム、デジタルマジックスペル【ディムス】は呪文を唱える必要なく高速で発動出来るディムスが良いのだけどね。
改竄され易い欠点がるからセキュリティ面で採用されずに公共施設は今も呪文を唱える必要があるわ。」
「魔術にも電子化の波が来てるのか、世知辛いなぁ。」
漫画でも魔法と科学の融合ものの作品があるし効率化すると仕方ないか。
移動の間に疑問に思った事や注意した方が良いことを聞いたり他愛の無い話しをしてる内に進むスピードが落ち上昇し始めた目的地についたようだ。
上昇に合わせてにぎやかな声が聞こえだし上昇し終えるとそこには様々な英雄達が談笑していた。
「内容はガイドブック見て知ってたけど凄い光景だな。」
「”誰でも最高クオリティで好きな英雄になれる”という謳い文句で宣伝してたわ。その為にMGOの運営会社やキャラの声優の人達に許可を貰ったり、使用料払うくらいの熱の入れようには私も聞いた時にはとても驚いたわ。」
それってかなりの金額が動いてるよな。
企業でもないのにその入れ込みようは感心を通り越して畏敬の念を抱く程だ。
目的のサークルというにはもう企業ブースがしっくりくるくらいの規模の仮説ブースや販売所が建ち並んでいる。
サークルの受付カウンターまで進むとこれまた凝ったMGOのサークル作成アニメーションが設置されたスクリーンに流されていた。
キャラの声はMGOと同じ声優な事から聞いた話しが本当だと分かる。
「あっ凛音じゃん!聞いてたより早く来たんだね。お隣は彼氏かなぁ?」
「違うって分かって言ってるでしょ香穂今担当している覚醒者の戸渡君よ」
こちらに手を振って現れたのはMGOに登場する職員と同じ制服姿の香穂と呼ばれた女性だ。
俺の事を興味深そうに眺めて小坂さんと何やら小声で話した後に笑顔で俺の前来た。
「君、運が良いぞ!特別にこの私自ら君を英雄にしてしんぜよう!」
香穂さん?何故にっこり笑顔で肩をがっしり掴む?
「はぁまぁ、それ目的で来たので宜しくお願いします??」
困惑ぎみに答えると背中をズイズイ押されて連れて行かれそうになった。
小坂さんに助けを求めようとしたがいつの間にか建物の入口にいた早っ!。
「はい、こっちら入口、英雄に成りたかったでしょ?さっさと行くわよ。」
「ほらマスターりんちゃんが君を召還したいって楽しガチャの時間だよぉぉ~。」
「ちょっ押さないで行くからまって!」
背を押されて小走り気味に建物に向かう道中は周りから微笑まし光景に満たれのか召還頑張ってねと声援を送れ少し恥ずかしい思いをしてしまった。
興奮と期待でワクワクして英雄の姿になれるチャンスだって思ってたけどこれじゃあ、初めてお使い気分だよ。




