3話
やっぱり来た王道展開。
漫画やアニメを見て自分も主人公みたい活躍できたらと何度か思った。
でもそんな上手く行くほど現実は甘くない。
「…………。」
「あら?てっきり喜ぶと思ってたけど。まぁ、魔物討伐なんていきなり言われたら怖いわよね。」
「ゲームみたいにやり直しが出来て苦痛なければ喜んで即答しますよ。 でも違いますよね?」
死ぬかもしれない事は予想出来るんだから余程の覚悟ないと受けるわけないだろ。
そんな俺に彼女はほっとした表情をして頷いた。
「良かった。貴方みたいに理解してくれると私も安心出来るわ。いるのよねぇ『自分だけは大丈夫』、『ゲームやアニメ見て予習済みのプロだぞ俺は!』とか内心思い込んでて何度も説明しても理解しない人。」
「アハハ……不安がなければ俺もファンタジーな展開に興奮してやってかもしれませんねぇ。」
まぁ後で冷静になって後悔するのが脇役の定ば──あ………れ?何か見落としてるようなぁ?
「コホン!横道にそれたわね。基本ローリスク、ハイリターン。そうじゃないと誰もやらないのだからメリットは多きわよ。」
「給料が良いとかですか?」
命を掛けた対価かぁ自分ならいくら積まれたらやる?
……イヤいくら積まれたてもやらないな怖いし。
「三年間魔術を操れるように成って、見習い魔術師を卒業出来れば一般人の人権を自由に出来る権利が与えられるわ。殺そうが何をしても罪にならないのよ。」
「は?…………いやそんな事許されるわけ」
「許されるわ。魔術師一人の働きは1000人の命と等価それくらいの地位を得られるの、どう魅力的に思わない?」
目を細めて妖艶に笑みを浮かべて彼女は言うけど。
魅力的?人の命が権利で自由されるなんてそんなの…。
「嫌悪感が強すぎて魅力なんて感じませんよ。家族が友人がそんな権利で殺されるかもと思うと胸糞悪い……です。」
「貴方はそう思うのね。安心してとまでは言えないけど今はそんな権限の使い方ほぼされてないわ。
大概は自分の新しい戸籍をとかね。
資産が多くなると親族トラブルが起きやすいから、それが嫌で自分は死んだと思わせる為に権限を使ってるわ。」
俺の仕草と言動に彼女は何かを探る視線を止めてほっと息を吐いた。
良く分からないモヤモヤした気持ちから突発的に口を開いてしまった。
「反応見られてる感じがするんですけど本当は尋問だったりしますか?」
「あ!そんなつもりなかったの。あはは……職業病ね、ごめんなさい。」
アルバイトの面接を受けた時、まともな奴かどうか探る店長の仕草に似てたから思わず言ってしまった。
申し訳なさそうにする彼女を見ると、冷静になり自分が思った以上に感情的に成っていた事に気付いて申し訳なくなって来た。
「ごめん言い過ぎました!色んな事起きて気が動転して思ってもない事言ってしまって。それにほら!色々選択肢あって、もう何選ぼうか目がグルグル円マークになったりして――。つまり何を言いたいかというと、何時までに決めればヨロォシイカ?」
何言ってるんだろ俺は!もっと良い言い方があっただろうが!!
「フフ、もしかして慰めてくれてるの?下手な話題転換だったけど───ありがとね。」
しどろもどろのオレに彼女は優しい笑顔で礼を言う。
可愛いなぁ。
彼女は"ちょっと待ってと”と言うと室内に有る机の引き出しから封筒と紙を取り出し俺の前に置いた。
「今日から3日以内に──どうしたのボーとして?」
「はっ?!3日ですね、分かりました!」
危ない見惚れてたのばれるとこ………何故呆れ顔?
彼女はため息を吐いて再度説明し始めた。
「話しは最後まで聞きなさいね、今日から3日以内に該当する項目にチェックを入れてポストに投函して欲しいのよ、分かったかしら?」
「あ、はい分かりました。」
アンケート用紙みたいなものか~話し遮ってすんませんてした。
「とまぁ、面倒な話しはここまで。貴方はこの後どうしたい?」
「どうって此処から出るだけじゃないんですか?」
どういう事?まだ何かある?
「貴方此処に来るまで何も見てなかったの?今此処では魔術師側のコミケを開催してるのよ、みたいなら案内するって事よ。」
「はぁ?魔術師側の──。」
脳内に意識の外に追いやった光景流れて思い出す毎に感情が高ぶって来た。
「お願いします!是非案内を!そうだあいつに級友に会ったから先帰ってって誤魔化さないと!えぇとホテル予約済みでチェックインは拓也の親戚の人がしてくれるだろ?あとえーと!」
「さっき冷静だったのに興奮しすぎじゃないかしら……。」
『年相応な反応で微笑ましいですねぇ~』
ファンタジー大好き高校生だからね!
何か買えるかな?バイトで貯めたお金が火を吹くぜ!
この時、興奮しすぎて三人目の声に俺は気づきもしなかった。




