22話
Side―拓也
奇妙な感覚だ。
力が溢れて傷も少し経てば塞がり万能感が時々襲って来て、暴走しそうになる。
だけど身体は悲鳴をずっと上げてるのも分かりまともに動けるリミットが近づいて来てるから焦るな。
ガガガガガガ!!
「タフだな、だが限界も近いはずだ何時まで持つかな?」
「『そっちも残弾少ないんじゃないか?』」
ジャックはピクリと反応した。
清仁から聞いた通りだな【魂晶石】とか言う石で表でも魔術を使えるようにしてるってのは本当なのだろう。
ジャックは更に鋭い動きで斬り殺しに来る。
隙さえあれば重い一撃与えれるのに此方が逆に隙を突かれて死にそうだ。
『拓也さーん!保って後5分だ!早ければインスタントラーメン食える時間で死ぬ!』
了解!3分だな!
『二分だ!』
そうだコイツ硬めが好きだったな――分かり難い例えは止めろ!!
ジャックはチラリと土屋さんを見て斬撃を放つ素振りをするが構わず殴りかかると避けられる。
俺も土屋さんも覚悟出来てんだ守りに入らないさ。
「その若さで覚悟するか、中々に度し難いな芦屋道無に家族を人質に取られた哀れな少年。」
あ"、コイツなんて言いやがった。
「知らなかったか?親の工房は既に手の者が支配している。俺は個人的に依頼されてな貴様を捕らえるか、死体を頭部だけでも持ち帰るように、とな。」
――――――。
『お、おい拓也何をするつもりだ!』
わりぃな清仁少し黙っててくれ、おい、俺の中で好き勝手暴れるてんじゃねぇぞ!
「『暴れたいなら一緒に暴れろ!お前は俺で俺は俺だ!!受け入れろ。』」
俺の中より禍々しい気が流れ出すとジャックは首に大振りの一太刀を入れてきた。
「馬鹿が、鬼の血と争いながら死んで逝け!」
勝利を確信した顔、でもな勘違いなんだよ!!
俺は刀をへし折り、呆けた奴の土手っ腹に収束させた雷鳴纏う拳押し当てた。
「――――?!」
「彼方まで吹き飛べ!『"上雷激昂“』」
カッ―――!
ドォォン!!
辺りを光が包み込みジャックは雷に連れ去られ上空で膨張し雷が四方へ落雷を起こし消えていった。
パリ―――ン
何処かでガラスが割れた音と共にやっと終わった。
「はは、紙一重だったな、きよ『対価を貰うぞ我よ』」
左眼に何者かの指先が映りまつ毛に触れているのを感じ慌てて飛び退こうとした。
『馬鹿!気を抜いて良い相手じゃないだろ!お前の悪意が固まったような奴だぞ!』
『ちっ……良き友がいて良かったな、我よ。次は一人で我の元まで来い。喰ろうてやる、その甘い精神と人格をなぁ。』
感じて無かった左手の感覚が戻り、左眼を抉り取ろうとしたのが自分手であった事に気付き手が震えていた。
「ごめん、助かった、清仁ありがとな。」
『万雷鬼の繋がりを閉じるぞ、俺も身体に戻る限界だ。漏らす程激痛走るから覚悟しろよ。』
そこは死ぬ程って言えよな。
ドサ
プツンと何か切れるような音がしたと思った瞬間、脱力感が襲い倒れ込んでしまった。
「やべ、力入んないわ、でも痛みはまだぁっ――!?」
いっ――――あっ。
「がぁぁぁぁ!!!」
力が入らなくて、のたうち回ることすら出来ない!全身を炙られているかのようだ!!
た、助けてくれ……誰か――
「はぁはぁ、まさか俺以外殺られるとはなぁ。だがもう誰も立てないだろ?ベイス、ジャックお前らが受けた依頼は引き継いでやる。」
マジかよ、清仁も無理しすぎた逃げれない……でも。
振らつきながら俺を見下ろす大男は折れた刀を握り締めてニヤついた。
「おい……拓也にてぇ出すな、俺はまだ生きているぞデカブツ。」
「おいおい、肋骨は全て砕いたんだ筈だ。テメェ化け物かよ。」
大男はニヤリと笑い俺を挟んで土屋さんと対峙する位置に移動した。
「テメェが俺を殺すのが早いか、コイツを俺が殺すか勝負と行こうじゃないか。」
「ゲスが!」
土屋さん!俺に構わずコイツを…殺ってくれ!!
「いくぞ、3」
かけて来る音がする
「2」
大男が俺に刀を振り落とす。
「い――?」
プシュー
何かが振りかかる何だ?
「良くも大事にしてくれたな、マジコミで成果を上げていたから見て見ぬ振りをしていたのにのぉ。ウロボロスは罪を犯していない魔術師には手を出さん掟を破りおってからに。っとベイス等は全員死んだんだったな貴様等褒めてやる。」
皺がれた男性の声がする。
「此奴の遺体は回収させて貰うぞ、孫に丁度操れる空きができたんでなぁ。」
「済みませぇ〜ん、そこのベイスはヤバい奴に操られてたって死に際に言ってましたぁ~死体は封印か浄化処理して埋葬して下さいぃ〜。」
死そうな震え声が聞こえる清仁か……。
「その言葉が真かなどワシには分からんな。どの様に証明する小童?」
「……七十年前、とある……作者から“一緒に行こうぜ純ちゃん“って誘われた……貴方に仲介者からの伝…言で………す。」
痛みでもう意識が……持……た……な―――
「マ――殿――助け―――特――ぞ。」
そこで俺の意識は途切れた。




