20話
Side――ベイス
あぁ――やはり介入して来るかマーリン!
覇気を放つ磨土拓也奴は確かに鬼人の先祖返りだが、【仙鬼】に至る程の修練は積んでいたいないはずだ。
主と磨土を捕まえるように命令した部下に目を向けると青い顔して血反吐を吐きながら、解毒の魔術を唱えいる。
戸渡は何処にいる……いやマーリンなら原初の魔法使いなら隠蔽魔術が表でも使用可能か。
だが覚醒したての戸渡の身体は耐えられないだろ、二度の魔術行使で限界は近いはずだ。
「いやいや、仙鬼への覚醒おめでとう!しかし君は理解してるか?無理な覚醒は寿命を消費し続けているぞ。
私は今日の記憶を消すだけ、戸渡がいなくなるだけ、命をかけるには釣り合わないと思うがね。」
「『オメェは兄弟子を傷付けた。怒りで目覚めたスーパー仙鬼人がオメェ等をオラがぶっ潰す。』」
……こいつ力に酔って頭が可怪しくなったか?
俺の横で一切手を出していなかった、ナンバー2実力を持つジャックが刀を抜き放ち構える。
「なら俺が相手しよう。さてベイス、撤退するか戸渡以外殺すか選んでくれ。」
「戸渡以外殺せ。」
ジャックは俺の言葉聞いた瞬間に刀を横一線に薙ぎその軌跡を延長するように視えざる刃が放たれた。
「『うぉ?!オメェやっぱ強いなぁ――本気でいくぞ。』」
ジャックの視えない飛ぶ斬撃を避けたが周りが切られたのを確認してだ。
ジャックもそれに気付いている。
そしてまぁ解毒をしていた一人は運悪く首を切られて死んだか、実力はそこそこな奴だった替えは効く。
他はちゃんと伏せて避け、一般人を抱えてジャックより後方に下がっている。
「『余裕そうだが油断大敵だぜ?"震脚"』」
ズドン!!
震脚によって地面より力の波紋が的確に此方を狙い撃つが飛べば避けられる程度の事。
「死ね“斬霧"」
ジャックが触れれば細切れになる斬撃の霧を磨土に放つが磨土は埋もれた足を更に踏み込み大きなコンクリートの塊、破片を蹴り飛ばしてくる。
だが斬霧で粒子まで斬り―。
「ベイス、停めろ!」
ガガガ!!
表面を削っただけだと?!そうか震脚を使った際にコンクリートを強化し強度を上げたのか!!
ジャックは魂晶石を砕く程の魔術を使い巨大なコンクリートを切断するが勢いは止まらず破片は此方に跳んでくる。
このままだと領域を閉じている後ろの要石が破壊され結界がこじ開けるられる。
仕方ない……。
「ノーネーム反転させろ。」
『■■■■■■■』
俺の中から黒霧が溢れ口の形どり言霊を放つと全面に黒い幕がひろがった。
キン――――
「『なにぃーー?!』」
ドォーーン!!
コンクリートが黒い幕に触れた瞬間、鋭いランスと変化し逆再生されたように斬撃の嵐を防いでいた磨土へと向かい、打ち返され轟音が辺りに響き渡る。
必中であるノーネームの言霊で相当なダメージが入った後はジャックに任せれば良い。
「後は隠れた戸渡を引きずり出せば――。」
『■■■■■■■』
『やっと出て来たね、【虚無言】。』
ノーネームの悲鳴と同時に繋がりが切れるのを感じ振り返るとノーネームが握り潰されてその残滓を取り込む者がいる。
なっ?!何故お前が、動けるはずはないだろ!!
「戸渡清仁!!」
『君、大分弄られてるね。貴重な【想定眼】適合者だ、仲間に引きずり込みたいが生憎ギリギリなんだ。死んでくれ。』
こいつマーリンか?!主の身体を乗っ取るはずはないのに何故?
主……■■■■■忠誠を■■■■■■■
そうだ!俺の――敵、主敵主ててててて、あっああああ!!
「貴様俺に何をしたぁぁ!!」
『すまない仲間になっただろう記憶を持ってしまった囚われ人よ。』
こいつは殺―――あ?
力が抜けていく――下を向けば胸に穴が空いていた。
死ぬのかこの俺が?
ふざけるな死ぬわけには俺が王に―――
『さよならベイス、来世は良き仲間である事を願う。』
俺の意識は永遠に閉ざされた。




