第十四章・第二話「行き詰まる調査」
数日後、クロウから届いた報告は、思わしいものではなかった。
『張り込み、空振りだった』
スマホに表示されたその一文に、俺は小さく落胆した。
『どういうことですか』
『あの雑居ビル、確かに黒鴉関連の人間の出入りはあった。だが、肝心の「主任」らしき人物は、一度も姿を見せなかった』
『警戒されてる、ってことですか』
『かもな。こっちの動きが、何らかの形で察知されてる可能性もある』
その文面に、俺は嫌な予感を覚えた。羽鳥との対話以降、黒鴉側も、こちらの出方を警戒している可能性は十分にあった。
放課後、俺はカフェに直接足を運び、クロウと本条から詳しい状況を聞くことにした。
「正直、手詰まり感が出てきてる」
本条が、疲れたような声で言った。
「雑居ビルも、しばらく使われなくなるかもしれない。向こうが警戒を強めれば、尻尾を掴むのは、これまで以上に難しくなる」
「何か、他に糸口は」
「今、別の筋からも情報を集めてる。だが、正直、時間がかかりそうだ」
クロウの声にも、焦りの色が滲んでいた。
「焦っても仕方ない。だが、羽鳥が『周りに手を出す』と言った以上、悠長に構えてもいられない」
その言葉に、俺の胸にも、重い緊張感が広がっていった。
「俺にできることは、ありませんか」
「今は、お前自身と、周りの人間の安全を守ることに集中してくれ。無理に危険な場所へ踏み込む必要はない」
クロウの言葉に、俺は小さく頷いた。だが、心の中では、何もできないもどかしさが、静かに募っていた。
調査が行き詰まる一方で、日常は変わらず続いていく。その事実が、今はどこか、不思議な違和感として、俺の中に残り続けていた。
【作者からのお願い】
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!
「アステリズム・オンラインの続きが気になる!」
「蒼のこれからの無双に期待!」
と少しでも思っていただけたら、画面下部にある
【ブックマーク登録】 と 【評価(☆☆☆☆☆を★★★★★に!)】
で応援していただけると、執筆のモチベーションが劇的に上がります!
皆様のポチッと一押しが、この物語の何よりの支えになります。よろしくお願いいたします!




