↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『アステリズム・オンライン 〜世界で唯一ゲームをラストクリアした俺、現実世界で正体を隠して無双する〜』  作者: かいばーく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/103

第五章(後編)「予感」

浅い階層の最奥に近づいた頃、通路が少し開けた空間に差し掛かった。


「ここ、広いね」


「休憩ポイントだ。この先、少しモンスターの密度が上がる」


 俺の言葉に、莉世が真剣な表情で頷いた。


「私が先行してもいい?このあたりの敵は、多分私でも対応できるから」


 俺は一瞬、迷った。莉世の実力は、掲示板の情報や先ほどの立ち回りから、ある程度把握している。悪くはない。だが――


「油断はするな。何が出るか分からない」


「うん、分かってる」


 莉世は短剣を構え直し、先頭に立って歩き出す。その背中を見ながら、俺は僅かな緊張感を覚えていた。何かがおかしい――そんな漠然とした違和感が、頭の片隅にちらついていた。


「なあ、この辺で少し休憩しない?」悠斗が息を切らしながら言う。「俺、まだ慣れてなくて」


「そうだね、ちょっと休もっか」


 亜衣も同意し、四人は開けた空間の壁際に腰を下ろした。悠斗は自分のステータスウィンドウを何度も呼び出しては眺め、亜衣はドロップしたポーションを興味深そうに観察している。


「なんか、変な感じだよな」悠斗がぽつりと呟く。「ちょっと前まで、こんなの全部ゲームの中の話だったのに」


「私も、最初は現実感なかった」莉世が答える。「でも、慣れてくると……悪くないな、って思うこともある」


 少し離れた位置で、俺はその会話にただ耳を傾けていた。ゲーム時代を知る莉世と、これから知っていく悠斗たち。その温度差が、奇妙に噛み合っている気がした。


 ――その違和感が確証にかわるまで、そう時間はかからなかった。


 休憩を終え、再び歩き出してからしばらく。空間の奥、闇の中から、これまでとは明らかに違う気配が近づいてくる。


「莉世、下がれ!」


 俺の声に、莉世が咄嗟に後ろへ跳んだ。次の瞬間、暗闇を切り裂くようにして、一回り大きな影が姿を現す。


 ――シャドウウルフとは明らかに違う、階層不相応の個体。


 悠斗と亜衣が、息を呑む音が聞こえた。


「な、なんだよあれ……!」


 悠斗の声が僅かに震えている。俺は双剣を構え直しながら、目の前の個体を観察した。


 体長二メートルを超える、漆黒の毛並みを持つ狼型モンスター。目にあたる部分が、禍々しい赤色に光っている。


 ――『シャドウウルフ・ロード』。本来、この階層に出現するはずのない、上位個体だ。


「莉世、悠斗と亜衣を連れて下がってろ」


「え、でも――」


「いいから」


 俺は短く言い切ると、双剣を握り直し、静かに前へ足を踏み出した。


コメント・フォローよろしくお願いします


コメント・フォローがくると頑張れます^_^

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。