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『アステリズム・オンライン 〜世界で唯一ゲームをラストクリアした俺、現実世界で正体を隠して無双する〜』  作者: かいばーく


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第十一章・第九話「重なる影」



 カフェを出た帰り道、俺は何気なくスマホを取り出し、先ほど見せてもらった写真データのコピーを見返していた。


(この体格、どこかで……)


 粗い画質の中、佇まいや歩き方の癖のようなものに、微かな既視感を覚える。だが、それが何と結びつくのか、はっきりとは思い出せなかった。


 そんなことを考えながら歩いていると、不意に、聞き覚えのある声がかけられた。


「――よお、水無瀬」


 振り返ると、そこには羽鳥が、いつもの人懐っこい笑みを浮かべて立っていた。


「羽鳥先輩」


「こんなところで会うとはな。療養明けか?」


「……噂、広まってるんですね」


「まあ、目立つことしてればな」


 羽鳥は軽い調子でそう言うと、俺の隣に並んで歩き出した。その自然な距離感に、俺は少しだけ違和感を覚える。


「そういえば、最近黒鴉絡みで、色々あったらしいじゃないか」


 その一言に、俺は思わず身構えた。


「……よく知ってますね」


「まあ、噂は色々流れてくるからな。物騒な話だ」


 羽鳥はそう言いながら、ちらりとこちらを見た。その一瞬の視線に、俺はさきほど見た写真の人物と、どこか重なるものを感じてしまった。


(気のせい、か?)


 だが、その考えを振り払うように、俺は小さく首を振った。羽鳥は特に気にした様子もなく、話題を変える。


「まあ、お互い、無理はしないようにな」


「……そうですね」


 羽鳥はそう言い残すと、軽い足取りでその場を後にした。俺はその背中を見送りながら、拭いきれない違和感を、しばらくの間、抱え続けていた。


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