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『アステリズム・オンライン 〜世界で唯一ゲームをラストクリアした俺、現実世界で正体を隠して無双する〜』  作者: かいばーく


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第十一章・第八話「共有される情報」



 体調がすっかり回復した頃、俺は再び本条のカフェに呼び出されていた。


「悪いな、療養明けに」


「大丈夫です。それで、何か分かったんですか」


 クロウは頷くと、あの粗い写真データをテーブルに広げた。


「黒鴉の構成員が、定期的に接触してる人物がいる。総帥本人かどうかはまだ分からないが、少なくとも、かなり上の立場にいるのは間違いなさそうだ」


 俺はその写真を、じっと見つめた。画質が粗く、はっきりとした顔立ちまでは分からない。だが、その体格や佇まいに、なんとなく見覚えがあるような、ないような、曖昧な感覚を覚えた。


「心当たり、あるか?」


 クロウに尋ねられ、俺は首を振った。


「いえ、はっきりとは……」


「そうか。まあ、無理もないな」


 本条が話を継いだ。


「今、この人物の身元を追ってる。もう少し時間はかかるが、着実に近づいてる感触はある」


「分かりました。何か手伝えることがあれば、言ってください」


「今のところは、大人しくしててくれるのが一番助かる」


 クロウが苦笑しながらそう言った。


「お前が動きすぎると、また向こうを刺激しかねないからな」


「……分かってます」


 その言葉に、俺は素直に頷いた。廃工場での一件以来、俺自身、無闇に動くことの危うさは、身をもって理解していた。


「引き続き、情報が入り次第共有する。お前は、自分の周りの人間を守ることに集中してくれ」


「はい」


 カフェを出た後、俺は夕暮れの空を見上げながら、静かに拳を握りしめた。総帥の正体が、確実に近づいてきている。その予感だけは、確かにあった。


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