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『アステリズム・オンライン 〜世界で唯一ゲームをラストクリアした俺、現実世界で正体を隠して無双する〜』  作者: かいばーく


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第十一章・第二話「意識し始める距離」


「そういえば、澪ちゃんの様子はどう?」


 果物をつつきながら、莉世が話題を変えた。


「あれから、少し戸惑ってる感じだな。急に力に目覚めたわけだから、無理もないけど」


「そうだよね……」


 莉世は少し考え込むような表情を見せた後、ふと視線をこちらに戻した。


「私も、蒼くんのこと、色々知って、まだ整理できてない部分あるよ」


「整理、って?」


「うーん……なんて言えばいいのかな」


 莉世は言葉を探すように、視線を彷徨わせた。


「蒼くんが、ずっと一人で色んなこと抱えてきたって知って。それなのに、こうして私たちのために動いてくれてるの見てたら……なんか、放っておけないっていうか」


 その言葉に、俺は思わず言葉に詰まった。莉世の頬が、わずかに赤らんでいるのが見える。


「……ありがとう」


「べ、別に、お礼言われるようなことじゃないし」


 莉世は慌てたように視線を逸らした。その様子に、俺は自分の中に、これまでとは違う感情が芽生えているのを自覚せずにはいられなかった。


(こういう時、どう反応するのが正解なんだろうな)


 そんなことを考えながら、俺は莉世の横顔をそっと見つめた。窓から差し込む光に照らされたその横顔は、思わず目を奪われるほど綺麗だった。


「――蒼くん?」


「あ、いや。何でもない」


 慌てて視線を逸らす。莉世も同じように、少し気まずそうに窓の外へと目をやった。


 沈黙が、二人の間に流れる。だが、それは決して気まずいだけの沈黙ではなかった。何か、これまでとは違う温度を帯びた空気が、確かにそこにはあった。


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