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『アステリズム・オンライン 〜世界で唯一ゲームをラストクリアした俺、現実世界で正体を隠して無双する〜』  作者: かいばーく


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第十章・第二十四話「不敵な笑み」



 その頃、事件の顛末を伝え聞いた羽鳥は、学校の屋上で一人、スマホの画面を眺めていた。


「――幹部が一人、潰されたか」


 非公式のネットワークを通じて流れてきた、簡潔な情報が画面に表示されている。読み終えると、羽鳥は小さく舌打ちした。


「せっかく、面白いことになりそうだったのに」


 悔しさを滲ませたその声には、しかし、単なる落胆だけではない、別の色も混じっていた。


「あの水無瀬蒼って奴、噂以上に厄介だな。しかも、妹まで覚醒させちまうとは」


 独りごちながら、屋上の柵に寄りかかる。夕暮れの空を見上げ、しばらく黙り込んだ。


「……まあ、いいさ」


 やがて、羽鳥の口元に、不敵な笑みが浮かぶ。


「こっちも、そろそろ本腰を入れるとするか」


 その呟きには、これまでの人懐っこい印象とは、明らかに異なる響きが込められていた。


 スマホをポケットにしまうと、羽鳥は静かに屋上を後にした。夕日に長く伸びるその影だけが、しばらくの間、誰もいない屋上に残り続けていた。


 ――物語は、まだ、序章に過ぎなかった。


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