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『アステリズム・オンライン 〜世界で唯一ゲームをラストクリアした俺、現実世界で正体を隠して無双する〜』  作者: かいばーく


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第十章・第二十三話「掴めない手がかり」



 その後、駆けつけた本条の手引きで、拘束されていた黒鴉の構成員たちは、しかるべき筋へと引き渡されることになった。


「それで、何か聞き出せたのか」


 工場の外、クロウに尋ねる。クロウは小さく首を振った。


「末端の連中と、この幹部一人だけだ。総帥については、やっぱり何も知らないらしい。徹底して情報を遮断されてるみたいだな」


「……そうですか」


 落胆を隠せないまま、小さく息を吐く。今回の一件で、何か大きな手がかりが掴めるかと思っていたが、結局は末端の一部を潰しただけに終わってしまった。


「気を落とすなよ。少しずつでも、確実に近づいてる」


 クロウがそう言って、肩を軽く叩いてくる。


 少し離れた場所では、莉世と亜衣が澪を気遣いながら、疲れた様子で座り込んでいた。悠斗も、二人の側に付き添っている。


「澪、大丈夫か」


 声をかけると、澪は少し疲れた顔をしながらも、小さく頷いた。


「うん……お兄ちゃんこそ、大丈夫?」


「ああ、澪のおかげでな」


 そう言うと、澪は照れくさそうに視線を逸らした。


「私こそ、勝手なことして、迷惑かけてごめんなさい」


「いや」


 静かに首を振る。


「澪が動いてくれなかったら、俺は今頃、もっとひどい目に遭ってたと思う。ありがとうな」


 その言葉に、澪の目に、じわりと涙が浮かんだ。


「――もう、隠し事はしないでよ」


「ああ、約束する」


 二人の間にあった気まずさは、この一件を経て、ようやく解け始めていた。だが――総帥の正体は、依然として闇の中だった。


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