第十章・第十五話「捕らわれる」
数日後の放課後、三人は以前澪に接触してきた男が目撃されたという情報を頼りに、繁華街の外れを歩いていた。
「本当に、この辺りで見たって話だったよね」
「うん。でも、それらしい人、全然見当たらないね」
きょろきょろと辺りを見回しながら、亜衣が言う。澪も同じように周囲を窺っていたが、これといった手がかりは見つからなかった。
「今日は、もう戻ろっか」
莉世がそう提案した、その時だった。
「――随分と、熱心に探し物してるみたいだね」
背後から聞こえた声に、三人は一斉に振り返った。そこには、以前澪に接触してきた青年が、薄く笑みを浮かべて立っていた。
「あ……」
「わざわざこっちから探しに来てくれるとは、手間が省けたよ」
その直後、周囲の路地から、次々と黒鴉の構成員らしき人影が現れる。
「な、なに……!」
悲鳴に近い声を上げる亜衣。莉世は澪を庇うように前に出たが、多勢に無勢だった。
「大人しくしてもらおうか。痛い思いはしたくないだろう?」
青年の合図で、複数の男たちが三人を取り囲む。逃げ場を塞がれた三人は、なす術もなく、その場で拘束されてしまった。
「離して……!」
澪が声を上げるが、その声はむなしく夜の街に消えていくだけだった。
連れて行かれた先は、街外れにある、使われなくなった廃工場だった。埃っぽい空気と、錆びついた機材の並ぶ薄暗い空間に、三人は冷たい床の上に座らされていた。
「さて」
三人の前に、青年が立つ。その顔には、これまでとは違う、冷たい笑みが浮かんでいた。
「これから、少し話をさせてもらうよ。水無瀬蒼について、ね」
コメント・フォローよろしくお願いします
コメント・フォローがくると頑張れます^_^




