第十章・第十四話「三人の約束」
澪からの相談を受けて、莉世と亜衣、そして澪の三人は、放課後にファミリーレストランで顔を合わせていた。
「澪ちゃんの気持ちは、分かるよ」
莉世が静かに切り出す。
「私も、蒼くんに守られてばっかりなの、正直ちょっと悔しいって思うことあるし」
「私も。何か力になりたいって、ずっと思ってた」
亜衣の言葉に、澪は少し驚いた表情を見せた。
「二人も、そう思ってたんですね」
「うん。でも――」莉世が声を落とす。「無茶なことはできないよ。黒鴉、本当に危険な相手だから」
「分かってます。だから、情報を集めるだけです。危ないことは、絶対しません」
その言葉に、莉世と亜衣は顔を見合わせた。
「例えば、どんなことするつもり?」
「前に、私に接触してきた人がいたので……その人の特徴とか、行動範囲とか、少しでも手がかりになりそうなことを調べてみようかと」
「危なくない、それ?」
「大丈夫です。三人で一緒に行動すれば」
必死な様子の澪に、莉世と亜衣はしばらく黙り込んだ後、小さく頷き合った。
「……分かった。でも、絶対に無茶はしないこと。危ないと思ったら、すぐに逃げる。それだけは約束して」
「はい、約束します」
こうして三人は、放課後を利用して、それとなく情報収集を始めることになった。だが――この決断が、思いもよらない事態を招くことになるとは、この時の三人は、まだ知る由もなかった。
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