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『アステリズム・オンライン 〜世界で唯一ゲームをラストクリアした俺、現実世界で正体を隠して無双する〜』  作者: かいばーく


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第十章・第十二話「気まずい日々」



 澪との間に生まれた気まずい空気は、そのまま何日も続いていた。


 朝の挨拶も、以前より事務的なものになっていた。夕食の席でも、会話らしい会話はほとんどない。時折視線が合っても、澪はすぐに目を逸らしてしまう。


「――蒼、最近元気ないな。何かあったか」


 学校で、悠斗にそう尋ねられ、俺は曖昧に首を振った。


「いや、大したことじゃない」


「そのセリフ、お前の口癖だよな。心配するから、ちゃんと言えよ」


 悠斗の言葉に、俺は苦笑するしかなかった。妹との関係がぎくしゃくしている、などと軽々しく話せる内容でもない。


 放課後、グループチャットに莉世からのメッセージが届いた。


『最近、元気ない?何かあった?』


 鋭い指摘に、俺は思わず苦笑した。莉世にも、多少の変化は伝わっていたらしい。


『大丈夫。ちょっと家のことで』


 それだけ返すと、莉世からはそれ以上の追及はなかった。だが、その気遣いが、今はかえって少し重く感じられた。


 家に帰ると、澪は自室にこもったまま、リビングには顔を出さなかった。


「――澪、飯できてるぞ」


 声をかけても、返ってくるのは短い「後で食べる」の一言だけだった。


 閉じた扉を見つめながら、俺は静かに息を吐いた。


(このままじゃ、まずいな)


 妹との関係を、どう立て直せばいいのか。答えの出ないまま、時間だけが過ぎていく。黒鴉の脅威が迫る中で、身近な人間関係にまで綻びが生じている現状に、俺は重い焦燥感を抱えていた。


 ――この気まずい日々に、いつ終わりが来るのか。この時の俺には、まだ何の見当もついていなかった。


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