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『アステリズム・オンライン 〜世界で唯一ゲームをラストクリアした俺、現実世界で正体を隠して無双する〜』  作者: かいばーく


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第十章・第十話「澪の自問」



 あの夜から、数日が経った。


 表面上、澪はいつも通りに振る舞っていた。だが、その内側では、拭いきれない小さな棘のようなものが、じわじわと育ち始めていた。


(お兄ちゃん、あんな大事なこと、ずっと黙ってたんだ)


 ラストクリアのこと、正体を隠していたこと、そして黒鴉という危険な組織のこと。改めて考えれば考えるほど、澪の中に、ある一つの疑問が浮かび上がってくる。


(私には、話してもらえるほどの信頼、なかったのかな)


 その考えが浮かんだ瞬間、澪は自分でも驚くほど、胸の奥がずきりと痛んだ。


 血の繋がりのない兄妹として、少しずつ築いてきたと思っていた関係。だが、蒼が一番大切な秘密を、ずっと自分に隠し続けていたという事実は、澪の中に、静かな亀裂を生んでいた。


(莉世さんたちには、話してたのかな)


 そんな考えが頭をよぎると、余計に心がざわつく。莉世や亜衣、そしてクロウや本条という大人たち。蒼の周りには、秘密を共有できる相手が、他にもたくさんいたのだと気づいてしまう。


(私は、家族なのに)


 その思いが、澪の中で次第に大きくなっていった。表面的には笑って過ごしながらも、心の中では、じわじわと不安定な感情が渦を巻いている。


 夕食の席でも、澪は以前より口数が減っていった。蒼はそれに気づいている様子だったが、澪自身、うまく言葉にできずにいた。


(私が、悪いのかな。信頼されるだけの何かが、足りなかったのかな)


 その夜、澪は布団の中で、一人静かに涙をこぼしていた。


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