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『アステリズム・オンライン 〜世界で唯一ゲームをラストクリアした俺、現実世界で正体を隠して無双する〜』  作者: かいばーく


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第八章・第十二話「まだ話せないこと」



「蒼には、どこまで話すつもりだ」


 本条の問いに、クロウは一瞬、答えに詰まった。


「……今は、まだ全部は話さない方がいいと思ってる」


「理由は?」


「あいつ、こういう話を聞いたら、間違いなく一人で解決しようとする。俺たちのことも、莉世たちのことも巻き込みたくないって、そればっかり考える奴だからな」


 クロウの言葉に、本条は小さく頷いた。


「それは、否定できないな」


「だから、俺たちがある程度、下地を作ってから伝えたい。総帥の正体、拠点の情報――もう少し確度の高いものが揃うまでは、な」


「危ない橋、渡ることになるかもしれないぞ」


「分かってる。それでも、あいつを一人で危険に晒すよりは、ずっとマシだ」


 クロウの声には、揺るぎない覚悟が滲んでいた。本条は、それ以上何も言わず、静かに頷いた。


「――分かった。俺も、できる限りの手を貸す」


「頼む」


 二人はそれぞれのコーヒーカップを、静かに合わせた。乾杯というにはあまりに簡素な仕草だったが、そこには確かな決意が込められていた。


---


 その頃、闇ギルドの本拠地の一室では、あの男が一枚の資料に目を通していた。


「クロウと本条、か。相変わらず、あの二人はよく動く」


 男は資料を机に置くと、微かに口の端を上げた。


「――だが、こちらもそろそろ、次の一手を打つ頃合いだな」


 窓の外、闇に沈む街を見下ろしながら、男は静かにそう呟いた。


 その視線の先には、遠く離れた高校の校舎が、小さく見えていた。


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