第六章・第七話「悠斗の胸の内」
自室のベッドに寝転がりながら、悠斗は天井を見上げていた。
(蒼が、あのフードの男、ねぇ……)
驚きがなかったと言えば嘘になる。だが、話を聞いているうちに、悠斗の中では不思議と納得の方が大きくなっていた。
(あいつ、昔からそうだもんな)
中学の頃、クラスでいじめられていた同級生を、蒼だけが庇っていたことを思い出す。誰に頼まれたわけでもないのに、損得抜きで動く奴だった。あの性格が、そのまま今も変わっていないだけの話だ。
(正体隠してた理由も、まあ分かるっちゃ分かるし)
闇ギルドとやらに目をつけられるリスクを考えれば、慎重になるのも当然だろう。悠斗はそう納得しながら、スマホを手に取った。
画面には、莉世からの短いメッセージが届いていた。
『今日は色々ありがとう』
悠斗は少し考えてから、返信を打った。
『いや、こっちこそ楽しかったわ。また今度、四人でどっか行こうぜ』
送信してから、悠斗はふと口元を緩めた。
(莉世の奴、蒼のこと気にしてる感じだったよな……)
カフェでの莉世の様子を思い出す。いつもの、どこか達観したような態度とは違う、僅かな落ち着きのなさ。悠斗は、それに気づかないほど鈍くはなかった。
(面白いことになりそうだな)
悠斗はそんなことを考えながら、小さく笑って、スマホを枕元に置いた。
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