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『アステリズム・オンライン 〜世界で唯一ゲームをラストクリアした俺、現実世界で正体を隠して無双する〜』  作者: かいばーく


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第十五章・第一話「巫女の修行」



 亜衣が襲われた一件から、数日が経った。幸い傷は浅く、通学にも支障がないほどに回復していたが、その事実は、俺たちの間に新たな緊張感をもたらしていた。


「お兄ちゃん、今日から本格的に、力の使い方を練習しようと思うの」


 ある休日の朝、澪がそう切り出してきた。その表情には、以前の戸惑いはもう見られず、確かな決意だけが浮かんでいる。


「無理はするなよ」


「分かってる。でも、いざという時、ちゃんと役に立てるようになりたいから」


 澪の言葉に、俺は小さく頷いた。あの廃工場での一件以来、澪は変わった。守られるだけの存在ではなく、自分の意志で、前に進もうとしている。その成長を、俺は素直に誇らしく思っていた。


 練習相手には、莉世が名乗りを上げてくれた。


「巫女のジョブについて、私なりに調べてみたの」


 公園の片隅、莉世が持参したノートを広げながら説明を始める。


「慈愛の加護は、デバフ解除と回復に特化したスキルみたい。攻撃力は低いけど、サポートとしての価値はすごく高いと思う」


「どうやって、意図的に発動させればいいんでしょうか」


 澪が尋ねると、莉世は少し考えてから答えた。


「多分、感情が鍵になってると思う。澪ちゃんが発動させた時、強い想いがあったでしょ?」


「はい。お兄ちゃんを助けたいって、それだけ考えてました」


「じゃあ、まずはその感覚を、意識的に呼び起こす練習から始めよう」


 莉世の提案に従い、澪は目を閉じ、静かに精神を集中させ始めた。俺はその様子を、少し離れた場所から見守っていた。


 最初は、なかなかうまくいかなかった。澪の眉間には、次第に焦りの色が浮かんでくる。


「焦らなくていいよ。少しずつでいいから」


 莉世の優しい声かけに、澪は小さく頷き、再び集中を始めた。


 その真剣な横顔を見つめながら、俺は、この穏やかな時間が、少しでも長く続いてほしいと、心から願っていた。


【作者からのお願い】

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!

「アステリズム・オンラインの続きが気になる!」

「蒼のこれからの無双に期待!」

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