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第六章・第一話「沈黙」
「――ああ。俺が、あの夜のフードの男だ」
その一言を口にした瞬間、通路に満ちていた沈黙が、一段と重みを増した気がした。
誰も、すぐには言葉を発さなかった。悠斗は口を半開きにしたまま固まり、亜衣は莉世と俺を交互に見比べている。莉世だけが、まっすぐにこちらを見つめたまま、動かずにいた。
「……マジかよ」
最初に口を開いたのは、悠斗だった。
「いや、待て待て。じゃあ、あの掲示板の噂の……フードの男が、蒼だったってことか?」
「そうだ」
「うわ、マジか……いや、でもさ」
悠斗は混乱した様子で頭をかいたが、不思議とその声に、責めるような色はなかった。
「なんつーか、蒼がそういうことするの、めっちゃ蒼っぽいわ。困ってる奴、見捨てられないタイプだもんな、お前」
「……そうか?」
「そうだよ。中学の時だって、いじめられてた奴、お前だけ庇ってただろ」
悠斗があっけらかんとそう言うので、俺は思わず言葉に詰まった。こんな風に、あっさりと受け入れられるとは思っていなかった。
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