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第九話 交差する運命

「なぁ」


「…」


「なぁおいって。何か言ったらどうだ?黙ってちゃわからないだろ?」


「……はぁ…」


コイツ、見た目は肉で覆われてて薄気味悪いが、俺はこの中にいるのが女だと直感した。そうである以上人のはず…人?



俺は人の見た目なのか?



トシはまともに自分の手を見た。白い外骨格がびっしり、指先は狩るための尖った爪。

今トシの顔は骸骨のお面と一体化したような気味悪さ。


俺が人間って教えないといけないのかよ。


カランコロン


「…」


「これなら顔は見えるな。…って結構ここの空気ヒリヒリするな…」


ギチギチと音を立てながら覆われていた筋が離れ、顔を見せた。


「……一緒…」


「そう、だな。っ…一緒。俺とおまえは一緒」



指を自分に向け、その女性に向けてそう言う。


「…なんでおまえはここにいるんだ?」


「あなたはなんでここにいる?」


あぁ…


お互い状況は同じ。

そんなことを聞いても意味はなかったか…


「質問を変える。おまえは誰だ」


「私は…………。私は…何…?」


まじかよコイツ。俺よりおかしいじゃん。


「あー…えっと……」


どうしよう…

久しぶりに人と話すから話し方忘れてるな。

前俺はどんな風だったっけ?やばい分からない


「あなたは?」


「え?」


「名前…」


「…トシ。」


「…」


「…」

気まずい…


「トシ…トシ。」


「あー…うんそう。トシ」


「トシ…」


はぁ…これからどうしよう。


____________

「これから俺は何をすれば…」


強くなると決めた。神の涙に頼らないと決めた

だがただ闇雲に戦うのはつよくなれるのか?

勇者ってどんな人だったんだ?


「やんなお兄さん。浮かない顔して、合計銅貨20枚だよ。」


あ、すみません


聖騎士になった以上、もっと俺は強くなるんだ。強くなって、魔王の死骸を…



魔王の死骸消すのに強さっているのか?


嫌、神が手出しできないってリュウさんが。

それだったら神ですらなす術ないなら俺は…


「おまえは追放だ!」

「な、何故ですか!」


振り返るとそこには冒険者パーティーがなにかいがみ合っていた。


「元々おまえは荷物持ちとして俺の所に勧誘した。だが!今は収納袋がある故、おまえはただの邪魔だ!」


「そんな!お、俺だって仲間の足引っ張らないように知識付けて貢献したじゃないか!」


「そんなメンバー全員が知っているレベルのことで貢献だと?荷物係の癖に前に出たり、動きが鈍いのに防具もろくに揃えない。」

「アンタ言うほど活躍、それどころか足引っ張ってたのよ。だから邪魔なの」


「そ、そんな…」


「ギルドのルールにのっとり、階級の一年分の給料を渡し、仲間から抜けてもらう。だよな、リーダー」


追放…なんかあの頃読んでた漫画で流行ってたやつか…


途方に暮れている彼を見ていて少しの同情もあったため近づいて話してみることに。


「あの、大丈夫ですか。」


「いぇ、このくらいのこと…て、あなたハヤトさんですか!?」


「え、そうだけど「やっぱり!国中があなたのこと知ってるんですよ!なんでも聖騎士なんですよね!すごいですすごいです!」


ハヤトの手を握り興奮しているのか縦に力強くブンブンと腕を振っている。

勢いにつられてハヤトもアウアウ言うしかできない。


「ハッ!すみません!迷惑をかけて!」


「い、いやいや大丈夫ですよ。所でお名前は」


「ルドと言います!職は守護者です!」


「守護者?」


確かリュウさんから貰った本にも載ってたな。


「護りができるのか?」


「そのことなんですけど…一緒に食事でもどうですか?」


______ディッセンバ食堂______




「まだ魔法が使えない…?」


「えぇ、守護者は上位の職なんですが、どうやら聖騎士と同等の力が弊害となって、成長が極端に遅いんです…」


「聖騎士と同等だからこその弊害…」


「聖騎士のように成れる人に制限がないため、守護者は聖騎士以上の努力が必要なんです…」


守護の力…今俺は右手がない都合上右からの奇襲はどうしても受けづらい。そうなれば…




「ルドさん、俺の仲間になりませんか?」

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