新たな魔術書に
「ところで、双子ちゃんがあの魔術書に入って、アリエルは何が出来るの?」
ヒソヒソ話をしていたはすが、シオンに聞こえる程の声でカナメがアリエルに問いかける。二人に少しずつ近づいていたシオンが足を止め、カナメの話しに耳を傾ける
「魔力はほとんどあの二人に預けていたから、私は今、何も出来ない」
「えー。なにそれ、ありえなくない?」
「シオンの魔術を使うなら仕方ないでしょ?」
「無謀すぎ。他人の魔術を読むのは、只でさえ難しいのにシオンのだなんて」
カナメが、はぁ。と呆れたようにため息をつき、シオンも二人の話を聞いてクスクスと笑っていると、一冊の本がシオンの前に現れた
「おかえり」
シオンが目の前にある魔術書を取る。ページをめくり嬉しそうに流し読んでいると、アリエルがキッチンの窓を開け、カナメはまた少しだけシオンに近づく
「魔力、大分戻っていそうだね」
「そうね。おかげであの日も思い出したよ。わざわざ魔術書に書かなくても良かったね」
「シオンっていう嫌な魔術師がいたことはかいておかないとって思ったのよ」
カナメの返事を聞いて、シオンが魔術書を閉じる。パタンと静かに閉ざされた魔術書は、シオンの手から消え、周辺に浮かんでいた魔術書も消えていく。最後に残った魔術書がアリエルとカナメの元に飛んで行く。カナメがその魔術書を受け取り表紙を見ると三人の少女が描かれていた
「そう。じゃあ今度はじゃあ、アリエルとカナメがいたという魔術書を私が書いてあげなきゃね」




