不安を抱きしめて
「よいしょっ……と」
寝室までおんぶで運んできたホイップが、シオンをゆっくりとベッドに下ろし、ライとムギと一緒にそーっとシオンを寝かし布団をかぶせる。少し運び疲れたホイップがふぅ。と一息ついて背伸びをする
「ホイップ大丈夫?ちょっと疲れた?」
「ううん、疲れてないよ。二人こそ大丈夫?」
「大丈夫。ねっ、ムギ」
シオンを起こさないように小声でライが隣にいるムギに話しかける、ムギが返事の代わりに何度も頷き、それを見た後ホイップがフフッと笑う
「そっか。それじゃあ私はキッチンに行くから、二人はアリエルさんの言う通り、書庫のお片付けお願いね」
「シオンさんは?このままにするの?」
「……そうだね。しばらく寝ているかもしれないからこのままにしておこう」
ライの質問にホイップが答えると、ライとムギが不安そうに顔を見合わせる。二人の表情と手を繋いでいるのに気づいたホイップが、二人一緒にぎゅっと抱きしめる
「何かあればすぐ駆けつけるから、大丈夫」
「……うん。わかった」
ムギがそう返事すると、ライの手を引っ張って寝室の入り口へと向かう。少し遅れてホイップも寝室を出ると二人が書庫の中に入るのを確認すると、一階にあるキッチンに向かうため、一人階段を降りる。ギシッと軋む階段の音がいつもより響いて聞こえてくる。階段を降り、リビングを通りすぎキッチンの前につくと、テーブルの上に置かれたサラダや食器などを見て、ゆっくりと目を閉じ深呼吸をした
「私もライとムギだって、アリエルさんと魔術が違うなんて、気づかないはずないのに……。あの魔術書は本当にシオンさんの魔術書なのかな」




