散らばった魔術書
「魔術書がシオンさんの魔術?」
カナメの言葉に驚いたライが隣にいるムギの顔を見る。ライと目が合ったムギが側にある魔術書を見渡して、背後にいるアリエルを見る様子に少し振り向く。アリエルと目が合い、にこりと微笑んだのを見て、すぐにライの顔を見る
「でも、私達この魔術書で魔術の練習をしてたよね?」
「うん……。でも、ずっと上手くなれなかったのは、シオンさんの魔術だから?」
「えー、自分の使い魔達にシオンの魔術を教えていたの?アリエルって、やっぱ怖いね」
ライとムギの話を聞いてカナメがクスクスと笑い、ホイップがライとムギを見た後、アリエルやカナメを見て息を飲む。シオンを囲う三人が戸惑っているのを見たカナメがコツコツと足音を立てながら窓辺に移動し椅子に座り直した
「シオンのせいで無駄な魔力を使いすぎて、お腹空いたわ。何か食べるものでもない?」
「ないわよ。お腹が空いたなら、もう帰る?」
「帰るのも良い案だけど、シオンが色々買っていたでしょ?何かあるでしょ?」
カナメがアリエルにそう言い返すと、アリエルがはぁ。と深いため息をついてホイップを見る
「ホイップ、食事お願いできる?」
「はい。それは大丈夫ですが、シオンさんは?」
「寝室で寝かしてあげて。書庫を出たら起きるわ。ライとムギは、ここの片付けをお願いね」
「わかりました……」
ライとムギが小声で返事をすると、ホイップがシオンをおんぶし書庫を出る。ライとムギもホイップが転ばないようにサポートしながら一緒に書庫を出る。残った
二人が寝室に入るホイップ達を見届けた後、椅子に座っていたカナメが足元に落ちている魔術書を手に取りパラパラとページをめくる
「使い魔とはいえ人使いが荒いわね。掃除したりご飯作ったり」
「人荒いのは人のこと言えないでしょ。よくシオンに文句を言っていたくせに」
そうアリエルが言うと、適当にめくり読んでいた魔術書をパタンと閉じ、アリエルに向けてクスッと笑う
「そうね。でも、シオンよりは私は優しいわよ。勝手にどこかに行かなかったもの」




