それぞれの家の中で
買い物をして数分後、空は暗くなりアリエルの家までの道のりも暗くなり、両手いっぱいに買い物袋を持つシオンがゆっくりと帰り道を歩く
「……ただいま」
アリエルの家に着くとすぐ疲れからため息混じりに呟く。いつもはすぐに出迎えてくれるはずのライとムギの姿が現れず、アリエルの家は静かなまま。少し心配になりつつも買い物袋を持ち直し、キッチンへと向かう。テーブルの上に買い物袋を置いて、ふぅ。とため息をつく。買ってきたものを片付けようと、キッチンを見渡し、ふと入り口の方を見てまだライとムギが来ないことに更に不安が募り、玄関近くの階段に向かいゆっくりと二階にある寝室に向かうため階段を上る。すぐに寝室の前に着き、少し空いた扉から寝室の中を覗き込む。窓が開けっぱなしの寝室に、ベッドに眠るホイップと、ホイップの側で並んでベッドに伏せっているライとムギが見えて、寝室の扉をそーっと開ける
「起きて。ここで寝たら風邪引くよ」
ホイップを起こさないように小声でライとムギに話しかける。ユラユラと体を揺らし起こそうとしても二人は起きず、スースーと寝息をたてている
「仕方ないなぁ……」
はぁ。とため息をついて、ライを抱っこしてホイップが眠るベッドの隣にライを寝かしつけ、ムギもライの隣に寝かしつけると、夜風が入る寝室の窓をそーっと閉じた
「なんで返事しなかったの?」
一方その頃、カナメの家のリビングでアリエルがカナメの話を聞いてクスクスと笑っていた。その笑い声に苛立ったカナメが持ってきた暖かいお茶が入ったコップをドンッと音を強めに鳴らしてテーブルに置き、アリエルの向かいに座る
「するわけないでしょ。だいたいね、急に来るなんて言うからこうなるのよ」
「そう。それはごめんなさい。でも、あなたに渡そうと思って」
そうアリエルが言うと、カナメが置いたコップの隣に人差し指を置く。カナメがその人差し指に目線を向けると、一冊の本がテーブルの上に置かれていた
「ホイップに読んでもらったけれど、ダメだったの。なんでかわかる?」
そうアリエルが言うと、カナメがその本を取り、パラパラとページをめくる。本を読み進めていくうち、不機嫌だったカナメの表情が険しくなっていく
「急に来たのを許してくれる?」
お茶を飲みながらアリエルがカナメに問いかける。本を読み続けているカナメはすぐに返事をせず。最後まで読み終えると、アリエルが使った暖かいお茶が入ったコップを取り、ふぅ。と一息かけゆっくりとお茶を飲む
「ええ。シオンから奪い取った魔力をもて余していたの。許してあげる」




