困った微笑み
「へー。不思議な魔術……」
「アリエルさんの魔術とはなんかちょっと違うね」
シオンが紅茶を淹れているその頃、ホイップから倒れた時に使った魔術を聞いたライとムギが首をかしげながら顔を見合わせ、話し終えたホイップは大きく口を開けアクビをし目を擦る
「違う魔術だからホイップ倒れちゃったの?」
「うん、アリエルさんの魔力でこの魔術はあんまり……」
ムギの質問にホイップが答えていると、寝室の扉がコンコンとノックする音が聞こえた
「ごめんなさい。ちょっと開けれますか?」
扉越しから聞こえるシオンの声に、ライとムギが立ち上がり寝室の扉を開けると、シオンが紅茶のセットをトレーに乗せて入り口の前に立っていた。ベッドの側にある小さなテーブルにトレーを乗せ、暖かい紅茶をホイップのためにティーカップに注ぐ
「シオンさん。すみません、わざわざ」
「ううん、大丈夫。体調はどう?」
「元気になりました。ありがとうございます」
「そっか。それは良かった」
返事をしながらホイップに紅茶が入ったティーカップを渡す。暖かい紅茶に、ふぅ。と一息かけゆっくりと飲む。シオンがアリエルとライとムギの三人分のティーカップにも紅茶を注ぎ、シオンの一番近くにいたムギがアリエルにカップを渡す
「でも、ホイップはしばらく家でお休みね」
受け取った紅茶を飲んだ後アリエルがそう言うと、ライとムギが二人一緒にアリエルを見た
「家でお休み?外に出ちゃダメなの?」
「ええ。魔力が回復するまでね。ライとムギも一緒にね」
「えー。つまんないの」
アリエルの言葉に不満そうな顔で紅茶を飲む二人。それを見たホイップが困ったように笑う。自分の分の紅茶をコップに淹れていたシオンがふと、アリエルが見ているのに気づいて、目線を向けると、アリエルも困ったように笑ってシオンと目があった
「そういうわけだから、ホイップの代わりに今日のお買い物よろしくね」




