ここに入る前に
二階にある寝室の窓でホイップ達三人の様子を見た後、一階に降りたシオン。リビングの電気がついているのに気づいて、リビングに向かうと、アリエルが魔術書をまだ読んでいた。シオンがりの入り口でアリエルを見ていると、視線に気づいたアリエルがシオンを見てにこりと微笑む
「おはよう。よく眠れたかしら?」
「はい。さっきよりも元気な気がします」
「そうね、眠ったら魔力も戻るからそれもあるかも」
シオンに返事をしながらクスクスと笑い魔術書をテーブルに置き、テーブルに置いていたティーカップを取り、少し冷えた紅茶を一口飲む
「あの……」
シオンがアリエルに話しかけようとした時、バンッと玄関の扉が勢いよく開いてびしょ濡れの三人が家の中に入ってきた
「ちょっとみんな泥だらけじゃないの」
アリエルがリビングの入り口にいるシオンの後ろを通りすぎようとしていまライとムギを呼び止める。二人がお互いを見渡して、足元や服が泥だらけなのを見てエヘヘと笑う
「遊びすぎちゃったね」
「うん。そうだね。暗いからこんなに汚れているなんて気づかなかったね」
そう笑っていると、遅れてきたホイップも泥だらけになっているのを見てアリエルが困ったように笑い、ホイップも苦笑いをする
「アリエルさん、先にお風呂入ってきますね」
「そうね。汚れる前にそうしてくれる?」
「シオンさんも一緒にお風呂入ろ」
ライが側にいるシオンを誘う。予想外の提案にシオンが一瞬驚いた表情をした後、困った顔で首をかしげた
「私とちょっとだけお喋りするから、お風呂は後でね」
「お喋り?何を話すの?」
「ムギ、汚れちゃうから動かないで」
アリエルの側に行こうとしていたムギをホイップが呼び止める。一歩踏み出そうとしていたムギの足がピタリと止まり、しょんぼりとホイップを見る
「ほら、お洗濯もするんだからお風呂場に行くよ」
「わかった。シオンさん、後でね」
「……うん、後でね」
シオンの返事も聞かずに、パタパタと走ってお風呂場に行った三人。はしゃぐライとムギを怒るホイップの声がお風呂場からリビングまで聞こえてきて、アリエルがフフッと笑う。その笑い声が聞こえたシオンがアリエルを見ると、再び二人の目線が合う
「どうぞ、座って」
アリエルが向かいにある椅子に手を差し出す。座るように誘われ、どうしようか一瞬悩んだ後、アリエルの向かいの椅子に座ると、アリエルが使っていなかったティーカップに紅茶を注ぎシオンの前に差し出し、自分の分のティーカップにも紅茶のおかわりを注ぐと、一口飲んで、同じく紅茶を一口飲んでいたシオンに声をかけた
「お風呂の前に、せっかくだからあなたが見た夢、私にも少し教えてくれる?」




