雨上がりの静けさに
ザァと強い雨音が窓を開けている寝室の中に聞こえる。窓辺で雨音を聞きながら、一人本を読むホイップがページをめくる。コップに入った紅茶を飲み干し、テーブルに置くと、読んでいた本もコップの隣に置き立ち上がる
「ライ、ムギ。起きて。アリエルさんが帰ってくるよ」
シオンを挟んで眠る二人の体をユラユラ揺らして起こす。少し大きく体を揺らしてみてもシオンもライとムギも起きることなくスヤスヤ眠る
「もー、仕方ないなぁ……」
二人を起こすのを諦めて、はぁ。とため息をついて、寝室を一人出る。静かに部屋の扉を閉め、階段を降りるとちょうど帰ってきたアリエルと会った
「アリエルさん、お帰りなさい」
「ただいま。あら、ホイップだけなの?」
「はい。三人とも眠っています。起こしますか?」
「いいわ。たまには静かな家も必要よ」
ホイップに返事をしながらクスクスと笑って家の中に入る。ホイップがアリエルが持つ小さなお鍋を受け取り、一緒にリビングに向かう
「アリエルさんとの二人の時間も久しぶりですね」
「そうね。特にホイップはライとムギが来てから毎日バタバタしているものね」
話をしながらホイップが引いてくれた椅子に座り、カナメからもらったお鍋の中にあるスープを見て、テンションが上がるホイップを見る
「ホイップはライとムギはどう思う?」
「二人ですか?そうですね……」
返事に悩みながらアリエルが他にも買ってきていた買い物袋の中を見る。袋の中はライとムギが好きなお菓子や果物が多く入っていて、どこに隠そうかリビングの中を見渡す
「二人は私の使い魔になれそう?」
「ええ。とても可愛くて楽しい使い魔になれそうです」
「それは良かった。二人を呼んで良かったわ」
ホイップの返事を聞いてアリエルがクスッと微笑むと、お菓子をリビングの棚に隠したホイップが少しうつ向いてアリエルの隣に来た
「あら、どうしたの?」
「私だけでは使い魔として不安ですか?」
「いいえ。あなたはとても大切な存在よ。もちろんライとムギも」
「でも……」
ホイップが不安げにアリエルに何かを言おうとした時、椅子に座っていたアリエルが立ち上がり隣にいるホイップをぎゅっと抱きしめた
「守るものが多いと嬉しいものよ。ホイップ」




