ちからの源
「起きないねー」
「そうだね。なんでだろうね」
ライとムギがソファーで寝ているシオンを見ている。すぐ側で話をしていも起きずスヤスヤと眠るシオンを起こそうと二人で頬をつつく。それでも起きないシオンに、ライとムギが頬を膨らましていると、二人の様子を見ていたアリエルがフフッと微笑む
「アリエルさんみたいに、力を使いすぎたのかもね」
ライがアリエルにそう言うと、テーブルに食事を並べていたホイップが険しい顔でアリエルを見た
「ホイップ、そんな顔しないの」
「アリエルさん、何度言ったら良いのですか?アリエルさんは、使ってはダメなのですよ」
「大丈夫よ、ホイップ。私は何もしていないわよ」
「本当ですか?心配です」
アリエルに返事をしながら少し怒りながらテーブルに食事を並べていく。ムギがホイップやアリエルのいるテーブルに目線を向け、ライがまだシオンを見ていると、寝ていたシオンがうっすらと目を開けた
「あっ、起きた!」
シオンを見ていたライが叫ぶと、リビングにいた全員が一斉にソファーの方に目線を向ける。ライの声に驚き目が覚めたシオンが目線を動かし隣にいるライとムギや、椅子に座るアリエルやはじめて見るホイップをじっと見つめている
「ホイップ、新しい飲み物を持ってきてあげて」
「はーい」
「ライとムギも、ホイップの手伝いをしてあげて」
「了解です」
アリエルが三人に指示をすると、バタバタと騒がしく走ってリビングを出ていった。寝ていたシオンが遠くなっていく足音を聞きながらゆっくりと体を起こすと、アリエルがシオンの隣に座った
「体調は良くなったみたいで良かったわ。起きたばかりだけど、食事は頂ける?食べないと力もでないわよ」
「ちから?」
「そう。お話しする力も失くなっちゃうってことよ」
シオンが被っていたブランケットを受け取り、テキパキと畳む。二人の会話が止まり、リビングが少し静かになる。だが、すぐにその静寂を打ち消す足音がドタバタと聞こえてきた
「アリエルさん、お待たせしました!」
大きなトレーにたくさんおかずを乗せ持ってきたライとムギ。少し遅れてホイップもシオン用の飲み物を持ってきた
「あら、おかずが大分増えているわね」
「はい。たくさん食べて元気になろうって思って」
ライとムギが持ってきたおかずをテーブルに並べる。もうテーブルに置けないほど並べ終えると、ライとムギがシオンの手を取り、立ち上がらせるようにグイッと強く引っ張った
「こっちに座って」
さっきまでアリエルが座っていた椅子に誘う。シオンが恐る恐るその椅子に座ると、ライとムギがシオンを挟むように椅子に座る。ホイップがシオンの向かいに座り、シオンのためにおかずをお皿に取り分け始める
「久しぶりのお客様なので、気合いが入りました」
「そうだね。たくさん作ったから、また明日も買い物に行かないとだね」
「明日はアリエルさんも一緒に行きましょう」
「そうね。一緒に行きましょ」
ホイップの隣の椅子に座りながらムギの話に答える。四人の会話を並んだ食事を見ながら聞いていたシオンにホイップが取り分けたおかずを乗せたお皿をを差し出す。すぐに受け取らず、少しボーッとしていると、両端にいたライとムギがお皿を受け取り、シオンの前に置いた。ホイップから別にまた取り分けたお皿を受け取り椅子に座りなおすと、ホイップがアリエルにも取り分けたお皿を差し出す。ご飯の用意が終わり、リビングが一層騒がしくなる。アリエルが騒ぎを止めるため、シオンににこりと微笑んだ
「それじゃ、また冷める前にいただきましよう」




