ぶつかって落ちて
「えーと次は何を買おうかな」
シオンとホイップがナタリアの店を出て数分後、まだ買い物をしていたカナメが特に当てもなくまだルノート村を歩いていた。村にいた多くの人達も家路に着いたのか、村の騒がしさが少し落ち着きを取り戻し、道路がだいぶ歩きやすくなったカナメが手を大きく広げ、深呼吸をする
「ナタリアさんのお店で果物でも買えばよかったかな」
歩きながら食べれそうな物がないか、周辺のお店を見渡す。ふと、振り向いて見てきたお店をまた見た時、突然、何かがカナメに向かって飛んで来た
「痛い……誰が……」
飛んできたものがカナメの顔に当たり、顔に手を当てうつむく。足元に無作為に開いて落ちている本を見つけ手に取ると、はぁ。と一つ大きなため息をついた
「ただいまー」
「ホイップ、シオンさん、お帰り!」
夕方前に帰ってきた二人を待ちくたびれたライとムギが玄関で出迎える。二人が大量に持っている買い物を半分ほど受け取り、そのままキッチンへ走って向かい、二人から受け取った買い物袋をテーブルの上にドンッと勢いよく置いた
「ムギ、これ食べちゃおう」
「美味しそう。お腹空いたし、食べよっか」
先にキッチンに着いたライとムギが買い物袋を探り、ライが果物を一つ取り出す。ムギも果実を一つ選んでどっちを先に食べようか話しいると一階を軽く見て回ってきたホイップがキッチンに入ってきた
「ねえ、アリエルさんは?」
「書庫に籠ってるよー」
「授業もね、二人が出てからすぐ終わって、それから籠っている。暇だから一緒に行けば良かったよ」
ライとムギが話していると、遅れてシオンもキッチンに入る。持っていた買い物袋をテーブルに置き、三人の会話を聞きながら袋から野菜を取り出す
「ねえホイップ、アリエルさんが今、何しているか分かんないの?」
「書庫に籠られちゃ分かんないよ。あっちは結界が張られているからね」
「そっか……。じゃあしょうがないね」
「あっ……」
シオンの声と共に持っていた野菜がテーブルをコロコロと転がる。シオンの声が聞こえたムギがテーブルに転がり床に落ちそうなる野菜を落ちる寸前につかんだ
「ごめんなさい、大丈夫?」
「うん、落ちる前に掴んだから大丈夫」
ムギがつかんで取った野菜をシオンに渡す。傷がないのを確認するとほっと胸を撫で下ろし、テーブルに野菜を置く。その後は、ライとムギと一緒にお喋りをながら買ってきたものを片付けていく。三人とは別に食器を片付けていたホイップが、ふぅ。と一息ついて、シオンのいるテーブルの側に来た
「よし、片付けも終えたし、休憩がてらに食べよっか」




