間違わないように
ライとムギの授業の再開して数時間後、特にすることのなかったシオンがホイップに頼まれ庭の掃除をしている。程良いそよ風と、小鳥のさえずりを聞きながら、うーんと背伸びをして、ふぅ。とため息をつく。再び掃除をしようと箒を持ち直すと、ホイップがトレーにティーポットやカップを乗せ持ってきた
「お疲れさまです、シオンさん。少し休みませんか?」
「ありがとう。そうしようかな」
ホイップに返事をして、集めた落ち葉を袋に入れる。ホイップはその間に、テーブルにトレーを置いて、休憩の準備をする
「シオンさん、冷たい紅茶と温かいの、どちらにしますか?」
「じゃあ、温かいのを」
シオンの返事を聞いて、ティーポットからコップに紅茶を注ぐ。二人分の紅茶を注いでいると、片付けを終えたシオンが椅子に座り、差し出された温かい紅茶を飲む。ホイップも椅子に座りお菓子を頬張る。お喋りをして、のんびりと過ごしていると、二階から微かにライとムギの声が聞こえてきた
「まだ授業は終わらないんだね」
「そうですね。今日は特に長いかもしれませんね。そろそろお買い物に行きたいのですが、どうしよう……」
コップをテーブルに置きながら困ったようにホイップが言うと、お菓子を食べていたシオンが少し首をかしげた
「じゃあ、私とお買い物に行く?」
「……そうですね。そうしましょう。私、ライとムギに伝えてきますね」
シオンの提案に少し考え答えた後、椅子から立ち上がり、ライとムギのいる二階に向かっていったホイップ。
家に入ったホイップを見届けた後、トレーにティーポットやカップ等を乗せ片付けていると、さっきよりもライとムギの声が大きく聞こえてきた。少しずつホイップの声も聞こえだし、シオンが心配そうに二階を見ていると、ホイップが家から出てきてシオンのもとに戻ってきた
「ただいまです。行きましょう」
「本当に大丈夫?」
「ええ。ちゃんとおやつを買うと言ったら納得してくれたので」
少し疲れたのか、はぁ。とため息をつきながら返事をし、ティーポット等が置かれたトレーを受け取る。片付けるためまた家の中に戻ると同時に、少し開いていた二階の窓が大きく開き、窓からライとムギが顔を出した
「シオンさん、おやつを忘れないようお願いしますね!」
「ホイップにちゃんと強く言ってね!」
シオンに手を振りながら大声で叫ぶ二人。シオンも手を振り返事に答えると、キッチンにトレーを置いて戻ってきたホイップが呆れた様子で二階にいる二人を見た後、シオンの手をつかんで、ぐいっと引っ張り買い物に出掛けていった。ライとムギが窓から顔を出したまま二人を見送っていると、ふとアリエルが部屋の本棚を見渡しているのに気づいたライが窓から出していた体を戻す
「アリエルさん、どうしたの?」
ライの言葉にムギも窓から出していた体を戻して、アリエルを見る。二人の視線と声をかけられた事に気づいたアリエルが二人に、にこりと微笑む
「魔術書達に迷子になった子達にお知らせしているのよ。ちゃんと帰ってくるようにってね」




