気持ちを確かめたら
シオンが持つ本を見つめ、動かない四人。シオンも困ったように四人の顔を見た後、持ってきた魔術書を見てまた困惑する。そんなシオンにアリエルが近づき、目の前に立つと、シオンが差し出した魔術書をじっと見つめる
「ホイップ、受け取って」
後ろにいたホイップに魔術書を見たままアリエルがそう言うと、ライとムギがホイップを心配そうに見つめる。アリエルがシオンの前から離れ、今度はホイップがシオンの前に立つ。シオンが持つ魔術書を取らず、目をゆっくりと閉じる。シオンが声をかけようとした時、持っている魔術書が独りでに手から離れ、ホイップの周りをぐるりと飛び回る。ライやムギの目の前を通り、またシオンの手元に戻った魔術書。ホイップも閉じていた目を開け、側で見ていたアリエルに目線を向け、うんと一度頷いた
「確かに無くなった魔術書ですね。シオンさん、この魔術書はどこにあったんですか?」
そうホイップがシオンに聞くと、魔術書を見つけた時の事を思いだすため、少し顔を横に向ける
「えっと……。テーブルにあったよ」
「テーブルですか?」
「うん、リビングのテーブルに……」
シオンの返事にホイップとライが顔を見合わせる。ライが顔を横に振り、ホイップはまたアリエルを見ると、ムギがホイップの隣にきて、シオンが持つ魔術書をじっと見つめる
「ホイップが、さっきの呼びかけを間違えたの?」
「私が?そんなはずは……」
「そうだよ。ホイップが魔術を間違えるわけないじゃん」
「そうだよね。ごめんね、ホイップ」
ムギの質問にホイップが少し戸惑いつつも答えると、ライもムギに言い返す。三人がシオンの前で話をしていると、持っていた魔術書がまた独りでにふわりと浮かんで、アリエルの元へ飛んでいき、手に取ったアリエルがパラパラとページをめくり確認すると、魔術書をパタンと閉じ、シオンににこりと微笑んだ
「見つけてくれてありがとう。助かったわ」
「あっ、いえ……」
シオンが返事をすると、アリエルが今度はライとムギに向けてにこりと微笑む。その笑顔にライとムギが顔を見合わせ苦笑いをし、アリエルを見ないようにしていると、二人の間にシオンが持ってきた魔術書が浮かんで止まった
「魔術書が見つかったのなら、ライ、ムギ。授業再開ね」




