静かな時と風の音
「なんだか静かだね」
しんと静かなリビングに朝ごはんを食べるシオンの話し声が響く。シオンのいるテーブルの側にあるソファーで洗濯物を畳んでいたホイップがシオンの言葉を聞いてフフッと笑う
「もしかしたら二人とも眠っているのかも。アリエルさんの授業は私でも難しいですから」
ホイップが服を畳みながらシオンの話しに返事をすると、シオンが納得したように、パンを食べながら何度か頷く。二人の会話が止まり、リビングがまた静かになり、開いた窓から庭にある木々の揺れる音が聞こえてくる。洗濯物を畳み終えたホイップが、パンを食べ終え飲み物を飲むシオンに近く
「おかわりはいりますか?」
「ううん、ありがとう。もう大丈夫」
「では、私が片付けますね」
シオンにそう言うと、空になったお皿を重ねはじめる。テキパキと片付けるホイップを見ながら飲み物を飲む。リビングの隣にあるキッチンにお皿を持っていくホイップを見ながらシオンが話しかける
「あなたは授業を受けないの?」
「私は魔力がないとか記憶がないということはありませんから受けなくても大丈夫ですよ」
「じゃあ、どうしてここに?」
「私はアリエルさんの使い魔ですから」
「使い魔?」
シオンの最後の言葉はキッチンで片付けをするホイップまで届かず、返事は来ないまま。その代わりに、アリエルの授業を受けていたはずのムギが疲れた顔でリビングにやって来た
「疲れた……」
ムギがシオンの隣の椅子に座り、テーブルの上に手を伸ばし突っ伏す。大きく肩を揺らし深呼吸していると、片付けを終えたホイップがリビングに戻ってすぐ、椅子に座るムギを見た後、廊下や階段を見渡しライを探す
「もう終わったの?ライはまだ勉強中?」
「ううん、魔術書がなくなっちゃったから中止にしたの。今、ライとアリエルさんが魔術書を探してる」
「また?」
「そう、またないの。書庫の本がないんだって。ホイップ、最近二階の書庫のお掃除したの?」
「ううん。最近、お掃除はしてないけれど……」
そうホイップがムギに答えると、もう一度階段の方を見ると、微かに二人の声が二階の方から聞こえてきた
「ちょっと私も探してきます。シオンさんは、ゆっくりしていてください」




