一時の休息
「やっと眠った……」
シオンがライとムギに捕まって数分後、スヤスヤ眠るライとムギの側でシオンが部屋のすみにある椅子に座り、疲れた顔ではぁ。とため息をついていた。カチャと静かに部屋の扉が開き、ホイップがシオンに手招きをする
「シオンさん、こっちに」
ライとムギを起こさないように小さな声でシオンを呼ぶ。シオンも二人を起こさないように、そーっと椅子から立ち上がり、ホイップのいる寝室の入り口まで歩く。ホイップが、そーっと部屋の扉を閉め、二人一緒に階段を降り、リビングに向かう。ホイップがアリエルに言われ、多めに作っていた紅茶が入ったティーポットとティーカップがテーブルの上に置かれていた。ホイップがリビング入り口に近い椅子を引き、シオンに座るように手を差し出す。シオンがその椅子に座り、ホイップがティーカップに紅茶を注ぐと、リビングにほんのり甘い香りが漂う
「お疲れ様です。二人の相手のお手伝いできずごめんなさい」
「大丈夫。きっと手伝ったら余計に眠らなかったから」
「お菓子も食べますか?」
「そうしようかな……」
シオンの返事を聞いたホイップが棚から隠していたお菓子を取り出す。個包装のクッキーを数個シオンに渡し、テーブルの向かいにある椅子に座る。自分用の紅茶をティーカップに注ぎ、シオンに渡した同じクッキーの袋を開け一口で頬張る
「いつも元気だね」
シオンもクッキーの袋を開けながらホイップに話しかけると、ホイップが渇いた喉を潤わすため、紅茶を飲みながらうんと頷く
「そうですね。でもこんなにも元気なのはシオンさんを見つけてからですよ」
「そうなの?」
「ええ。あの二人もシオンさんがいた付近で迷子になっていたのを私が見つけたんです」
「迷子?」
「はい。あの子達は私が見つけた時、魔力を失っていて今、取り戻すために練習中です」
「魔力を……。なんだか私みたい」
「それで二人がとても懐いているのかも」
そうシオンが言うとホイップがフフッと笑う。シオンもついつられて、少し微笑む。その後、二人のお喋りご続き、ティーポットに入っていた紅茶がいつの間にか無くなった
「あら、もう紅茶が……」
シオンのティーカップに紅茶を注ごうとしていたホイップがティーポットを少し揺らす。紅茶は残っていなさそうな雰囲気に、ホイップが新たに紅茶を作ろうと立ち上がる
「おかわりはもう大丈夫だよ。ありがとう」
「そうですか。ではもう私達も休みましょうか」
「そうだね。そうしよっか」
と、シオンが返事をすると、ホイップが自分が使っていたティーカップを手に取る。シオンも使っていたティーカップを取り、キッチンへ向かうホイップの後を追う
「一緒に片付けるよ」
「ありがとうございます」
返事をしながら、二人とアリエルが使ったティーカップやティーポットを洗うホイップ。シオンはリビングに残していたクッキーの袋をキッチンに持ってくる。使った個包装の袋をゴミ箱に入れる前に、ホイップが急に思い付いた顔をした
「そうだ。お菓子を食べことは二人には内緒で。そうじゃないとまた騒いでたいへんですからね」




