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第26話 男の夢


「いっぱいお嫁さんが貰えるなら……俺もそうするぞ! ハーレムは男の夢だからな!」



「開き直ったわね……」


そう、何を言っても逃げきれないと悟った俺は……

己の欲望に忠実になり、開き直っていた。


この世界で重婚が禁止されていないのなら……

ハーレム人生を目指すのも悪く無い。

むしろ目指したい!



「私としては、余りお勧めできないんだけど……一夫多妻なんて、女同士の争いとか酷そうよ」


う……

想像するとそれは嫌だが……

だが、男の夢は捨てきれんっ。



「大丈夫だ、そんな物は俺の度量でどうにでもなる!」


「何処から出てくるのよその自信は……」


ホントにな……

何で俺は、こんなに自信があるんだろうな……


「アリスも、その一員に加えてやるぞ」


「へぇ……」


俺の中で何かが壊れていくような音がしているが……

最早どうでもよくなっていた――



「女神でも魔王でも人間でもエルフでも……どんと来いだ、全て受け入れてやる!」


「…………」


『え……』


「ほぅ……」


俺、この戦いが終わったら……

ギルさんと楽しくお酒を飲みながら盛り上がるんだ……



「はぁ……まぁいいわ」


「え……?」


頭の中で死亡フラグを建てていると……

アリスがため息を吐いて呆れたような声を出し。



「正妻の座は譲れないけどね……」


「む……」


そう言いながらルナと睨み合いを始めた。


『それは私も譲れません!』


心の中で何故かソフィアも宣言した。


あれ……

俺、いつの間にソフィアを攻略したんだ……



==============================================



三人の女たちの戦い(約二十分)を見守った俺は。

再び話を戻して、アリスから話を聞いていた。


ソフィアの声は、俺とルナにしか聞こえないので。

傍目から見たらアリスとルナの言い争いである。

後半、ソフィアはやり切れないような声を出していた。



「あまり近づかない方がいいのは、南のスラム街か…」


「スラム街は、ゴロツキの溜まり場になっているらしいからね」



余り知らないと言っていたアリスだが。

生活に役立つ商店街方面と、後は行かないほうがいい場所の説明をしてくれた。


ちなみにここは貴族街らしい。

ギルさんは何者なんだろうな本当に……


「ゴロツキかぁ……わざわざ争い事が多そうな場所には、近づきたくないしな」


「兄さんの話じゃ、盗賊なんかも居るらしいわ」


盗賊か……嫌な思い出だ。



「王城方面の事は、私は全く知らないわね」


「そっちは別に用はないしなぁ……北の教会に行ったくらいだな……」


しかしこの国は中々広いんだよな……

すぐ迷う自信がある。

アリスもまだ慣れていないような感じだった。



「街の外は西の森と東の平原くらいね、私が案内できるのは……あの神殿に行ったのもあの時が初めてよ」


「そうなのか」


あの神殿何だったんだろうな……

教会の司祭に聞きに行ってもいいんだが。

あんまり行きたくないんだよな……


勇者を強調していた時の、司祭の顔が怖かった気がするんだ。

まるで生気のないような……

一瞬だったが……そんな顔をしていた気がする。



「まぁ……まずはギルドで仕事を探すか」



「夢のために、いっぱいお金を稼がなくちゃね」


『私も早く、外に出してくださいね』


「クロ……がんばれ」


「う……そうだな……」



当初の目的と大分変わってしまったが、最終目的は俺が強くなることだしな……

冥王? すっかり忘れてたぜ……




そんなこんなで、俺達はギルドに向かうことにした――

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