表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/259

第27話 聖女


聖王都ガラテア――


祈りの間――



祈りの間の祭壇で、一人の少女が祈っている。

水色の長い髪を、腰まで伸ばした15歳位の少女だ。


彼女の名前は……

聖女アナスタシア


神託の儀式を行うために。時間として、3時間は祈り続けていた。



聖女が目を開け祈りを終える……



「この世界の神は……何と言ったの……シア」


聖女が祈りを終えた時、一人の女性が聖女に声をかける。

青い髪を聖女と同じくらいまで伸ばした20歳位の女性だ。



「トリアーナ様は……この世界に神王様と魔王が……ある人間と共に舞い降りたと……仰せられました」



青い髪の女性に尋ねられ。聖女は不安そうな顔をしながら、神に告げられた言葉をその女性に伝える。



「神王に魔王が……人間とね……」


聖女の言葉を聞き、青い髪の女性は目を閉じ腕を組む。

そしてしばらく考えた後、目を開け――



「その神王と魔王……それと、その人間の名前はわかる?」


「申し訳ありません……そこまでは……」


「そう……」


少し辛そうな聖女の言葉に、女性はそっけない返事をした後。



「冥王の動向は?」



「未だ……不明です……」



聖女はますます申し訳ない顔になる。

そんな聖女の顔を見た女性は――



「そんな顔をしないで……シアはよくやってくれているわ」


「それに……貴女は私が護ってあげるから……安心しなさい」


聖女はその言葉を聞き、少し顔色が明るくなり――



「勇者様……」


頬を染めながらそう言った。



そう……

彼女は、此処とは異なる世界の勇者である。

ただ、他の勇者達とは違い……髪の色も瞳の色も黒ではなく青色であった。



「あまり好きじゃないのよね……光の勇者なんて呼び名」


「ご、ごめんなさい」


勇者の女性の言葉に聖女は慌てながら謝罪する。



「二人の時は、いつも通りの呼び名でいいわよ……シア」


そう言って、勇者の女性は聖女を優しく抱き寄せる。


聖女は抱擁されながら……

まるで、恋をする乙女なような顔を勇者に向けて――




「はい……クロ様……」



その女性の名前を呼んだ――



==============================================



「勇者はそれぞれ別の国に居るのか」


「えぇ。四人とも違う国に召喚されたらしいからね」


俺はギルドに向かう道すがら、アリスから色々なことを聞いていた。

今は異世界の勇者の話だ。



「魔族が進行してきているのに、国から出ないってのはどうなんだろうな」


「よくわからないけど……あまり戦えないんじゃない?」


「なるほど……」


確かに。いきなり召喚されて、魔族と戦ってくれなんて言われてもな。


俺なら断るぞ……


勇者と呼ばれる位なら、特別な力とかあるかもしれないが。

その勇者の強さが全くわからないな……



「ということは……魔族と戦っているのは、北の勇者だけになるのか?」


「そうなのかもね。光の勇者と聖女だけで、大丈夫なんじゃない?」


聖女って戦えるのだろうか……


「その聖女ってのが、どんな奴なのか気になるな」


俺の言葉を聞いて、前を歩いていたアリスが振り返る。

ルナもコッチを見て――



「なに?アナタ聖女まで狙う気なの……」


「クロ……よくばり」


「いや、ちがう……違うぞ。そうじゃないんだが……少し気になってな」


ハーレム宣言をしたとはいえ、知らない女の子まで加える気はない。


確かにそっち方面でも聖女のことは気になるが……

駄目だ俺……どんどん壊れていくな……


考え事をしている俺の顔を見てアリスが――



「やめておいたほうがいいわ……光の勇者に殺されるわよ……」


とても物騒なことを言った。


「なんだそれ……恋人同士なのか?」


「光の勇者は女性らしいから、ちょっと違うとは思うけど……噂じゃ、それに近い関係らしいわね」


なにその百合……

何処の世界でもそういうのはあるのか。



「光の勇者って女なのか……」


「そう……とても強いらしいわ。たった一人で、魔族を殲滅できるとか……」


いやいやいや、それ他の勇者いらなくね?

女勇者こえぇぇ……



「どんなバケモノなんだ……その女勇者……」


「あくまで、噂よ」


「そ、そうか……」



『怖いというか頼もしいというか……』


『ん……あいたくない……』


『俺もだ……』




心の中のソフィアとルナの言葉に同意し。

俺は、会った事が無い女勇者の恐怖に怯えながら目的地に着いた――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ