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ソウルズ!朱雀覚醒篇  作者: オレンジタイフーン


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27/30

#27


 

闇夜を切り裂く…うら若き乙女の悲鳴を作り出した原因。

 

 

それは楓の可愛らしくキュートな若さに満ち溢れる柔らかそうな形の良いお尻を…さも嬉しそうに鼻の下を伸ばし、ニタニタとした顔をして…サス~リサスリと、イヤらしい手つきで撫でまわしている変態の御老体がいたのであった。


 

街路灯の光を反射させている…そのツルツルピカピカな光沢感のあるハゲ頭。

 

 

それから…胸の辺りまで有りそうな長く伸ばした顎ヒゲと交わるように伸びた口ヒゲは、モミアゲと一体化していて、銀色に輝く立派な白ヒゲであった。

 

 

背丈は影蔵と同じくらいである。

 

 

彼の服装は個性的なファンの多い事で有名な関西人を熱狂させるプロ野球球団のユニフォームを思わせるような虎柄の黄色と黒のストライプの奇抜で…ド派手なデザインの甚平を着ていたのだった。

 

 

「………ッ、にょ~ほほほ~~~~ッ!

 

ええ~ケツしとるの~~! 


うひょひょ…お嬢ちゃ~~~んッ!」

 

 

 

楓が色っぽく…たじろぐばかりで無抵抗なのをイイ事に老人は瞳をギラギラと輝かせて、ここぞとばかりに調子にのって…お尻をまさぐるように凄まじくいやらしい手付きで触り続ける。

 

 

流石に乙女の恥じらいの心から、どうすれば良いのか判らない楓も我慢の限界とばかりに…怒った牝馬のような強烈な後ろ蹴りをハゲ頭の変態老人に向けて放つのだった。

 

 

ズバッと放たれた鋭い蹴りが変態スケベ老人に命中する事は無かったのであった。

 

 

そればかりか…いつの間にか、楓の正面にするりと回り込むのであった。

 

 

 

老人は華麗に回り込むと…先程のいやらしい手つきで…今度は楓の豊満かつ、プリンプリンッと弾力性に富んでいそうな胸のふくらみの双丘を同時に…ぐにぐにッと楽しそうに揉みしだいているではないか。

 

 

揉むというか…もはや、こねくりまわすだ!!

 

 

 

「い、い…い、イヤぁ~~~~~ァァッ…!!!!!!!!」

 

 

 

楓は心の底から絶叫し…プロボクサーも真っ青な破壊力を兼ね備えた素早いストレートをビュンと繰り出したのである。


 

 

しかし、やはり、それすらも虚しく空を切るだけだった。

 

 

 

素人のしかも女性が放ったとは思えないスピードと破壊力のある楓のパンチ。

 

 

 

その軌道を的確に読んで、インパクトの直前に地面をグッと踏み込んで…驚異的に超人的な高さまでポーンと軽い身のこなしで飛び跳ねるのであった。

 

 

 

こちらも単なる変態な老人の為せる術とは思えないくらいの身のこなしであった。


 

 

「にょほほほ~~~~~…いッ…とな……」

 

 

 

漆黒の闇夜に浮かぶ星のように上空高く、飛び跳ねた変態な老人の背後から…同じく、ズバッと飛び跳ねた者がいたのである。

 


 

不埒な悪業三昧の変態ジジィ…虎蔵を追い掛ける影。

 

 

 

その影は…変幻自在に軌道を修正し、狙いを研ぎ澄ました鷹のように華麗なる蹴りがターゲットである万年桃色妄想変態妖怪…虎蔵の後頭部へ見事、ダイレクトにクリーンヒットしたのであった。

 

 

 

「どぉぉぉりゃゃぁぁ~~~ッ…!

 

この大馬鹿者のスケベ~…ぃ…ジジィがァァァァァ~~~~…………ッ!!!!!!」

 

 

 

どこからか取り出したスリッパを握りしめ…渾身の力で叩かれたお笑い芸人みたいにスパコーーン…ッと爽快な音と共にビュ~ンと上昇して、すぐにヘナヘナ~と地上へ墜落していく虎蔵である。

 


 

 

夜空にキラキラと鮮血の虹がかかる。

 

 

 

血の色は変態も同じように赤かった。

 

 

 

「のわぁ~…鼻血ブ~~~ッ!?

 

 

……………あぁ…刻が……みえ…る!!」

 

 

 

虎蔵は意味不明な叫び声で鼻血を盛大に噴出しながら…風船ロケットみたいにぶっ飛び…ほうき星となってしまった。

 

 

…死して屍拾うもの無しなのだ。

 

 

 

え…エッチなのはいけないと思います………

 

 

だから…因果応報なのだ、これで良いのだ!!

 


 

さて…あの声と共に見事な蹴りを放ち、妖怪をほふったのは同じ格闘技の道場の門下生で兄弟子でもあった影蔵じいちゃんであった。

 

 

 

「エヘン…まいったか、この底無し沼な性欲のスケベィ妖怪めが!

 

ワシが見事に退治てくれたわ!

 

カ~ッカッカッカッカ!」 

 

 

後頭部が地面につきそうなくらいに豪快に仰け反るような態勢で腕組みをして、かんらかんらと満足そうな笑みを浮かべる影蔵だった。

 

 

 

そんな影蔵をジトリと…うらめしそうに睨み返すと、ぷっくりと膨らみ…真っ赤にほっかほかと湯気の立つ出来たてほやほやのタンコブのある後頭部を優しく擦りながら…虎蔵がグァッと威勢良く言い返すのである! 

 

 

「い、痛っッッッッ~ッ、なにさらすんじゃ~ッ!

 

…ッボケ~~ぇぇぇいッ、もっかい…ボケ~ィッ!!」 

 

 

「…ッうっさい…大馬鹿者がァ!!

 

登場するなり…何をしているんじゃ!!

 

歳を考えて…行動せんかァァァッ!!

 

ほりゃ…全員…すっかりドン引きじゃわい!!

 

自重しろッ!!!!」

 

 

 

いつに無い厳しい口調で影蔵が…ピシャリと嗜める!!

 

 

 

 

「ふんッ!!

 

クソ真面目な説教好きの飲んべぇジジィになんぞに…ぐちぐちと言われたくないんや!」

 

 

 

虎蔵が切り返すと…すかさず、影蔵も言い返すのである。

 

 


 

 

「何をォ~!

 

うるさいわいッ…この、どスケベぇ!」

 

 

「へん…どアホぅの飲んべぇ!

 

そっちこそ、やかましいんやッ!」

 

 

「ハ~ハハッ…鼻血たらしながら、何を偉そうに言うんじゃ…万年桃色変態スケベぇ妖怪が!!」

 

 

「あ~、あ~、あ~、聞こえへんね~~んッ!

 

さっきから…メチャメチャ酒臭ッい息が…こっちまで臭うとるで飲んべぇ妖怪がッ!」

 

 

 

 

もはや…小学生低学年並みの子供のケンカである。

 

 

しょうもないケンカである。

 

 

「スケベぇ」と「飲んべぇ」の繰り返しで…この幼稚な老人同士の戦いの決着は何年、何十年…待ってもつかないであろうと思われた。

 

 

 

そんな下らない無限ループを断ち切るように…影人と虎慈朗が、お互いの祖父の後頭部にスパコーンッと平手で天才肌な漫才師のキレのあるツッコミみたいなキツ~イ一発を放ったのだった!!

 

 

【※良い子の読者諸君は、お年寄りを労ろうね。】  

 

 

 

「ナイスやで…影人ッ!!」 

 

 

「ッ…し、グッジョブ!!」 

 

 

影人と虎慈朗、両者ともに握り締めた拳から…親指だけをピーンと立てて、お互いの健闘をはにかんだ笑顔と共に讃えあった。

 

 

 

犬猿の仲であると…無意識に感じている二人の心が唯一、通じあった瞬間なのであった。

 


 

「くぬぬぬ~ッ!

 

油断したわい…影人なぞにツッコミをいれられるとは………ッ!!」

 

 

 

「頭が…パーになったら、どないすんねん、アホンダラ~ッ!」

 

 

 

今度は…爆弾焼きみたいなたんこぶの影蔵と二段重ねの雪だるまアイスクリームみたいな、たんこぶ頭となった虎蔵…共々、孫に暴力反対と訴えたのである。

 

 

「へへへへッ…俺だって、毎度、毎度、じいちゃんに打たれてる訳じゃないんだぜッ!」

 

 

「アホンダラは、そっちやろが…もう十分にパーになっとろうがッ!」

 

 

 

影人も虎慈朗も負けてはいない。

 

 

日頃の鬱憤もプラスして言い返すのである。

 


 

 

「か…影人ちゃ~ん、恐いよ~!」

 

 

いつも気丈な振る舞いの優しいお姉さん的な存在の楓が不安気な表情で影人の後ろに回り込み、背中にヒシッと、しがみ付いて小刻みにフルフルとハムスターみたいに震えていたのであった。

 

 

虎蔵の存在が少なからずトラウマとなったようだった。

 

 

 

光透波の主観的な目線からは…実の姉で恋敵との思い込みからか、多少の計算があるのではないかと疑ってしまうのであった。

 

 

…ともすれば、その様な計算高いズルい女…みたいに取れそうな行動ではあるかも知れない。

 

 

だが…天然な部分の楓は、ああいう女性らしい女性な一面もあるのであった。

 

 

まだ…男心をくすぐるテクニックなんて、身に付けてはいないウブな乙女なのである。

 

 

 

『ふぁぁぁ~~~~~ッ! 

もう…終わったのかい?

 

疲れちまったねぇ…うぅ、寒いね~…冷えてきちゃたじゃないか。

 

 

フフン…それにしても………だッ!

 

 

聞こえてるんだろ~う…随分と久し振りだねぇ~。

 

ほら…白虎いるんだろ!!

 

今は…その虎慈朗とか言う男のソウルズだったんだね。

 

恥ずかしがらずに出ておいでよッ。

 

さっさとでないと…ぶっ飛ばすよッ!!』

 

 

 

先程まで…珍しそうにパトカーや消防車などの見慣れない乗り物や景観を子猫のようなキラキラとした好奇心でいっぱいな瞳で眺めていた朱雀。

 

 

影人の肩に小鳥みたいに、再び…ちょこんと腰掛けながら、子供が…かくれんぼで、ひっそりと隠れている所を発見した鬼のように、楽しそうで懐かしそうな声をかけたのであった。


 

 

『フン…別に…わざと隠れていた訳では無い。

 

不必要にオーラを消費させぬようにな………

 

朱雀よ…お主だって、簡易体かんいたいになってオーラの節約をしてるのではないか?』

 

 

そう言っている白虎自身も本来の雄々しい姿からは程遠くかけ離れており…想像だに出来ない姿であった。

 

 

 

 

白虎は…小さく愛くるしい姿を皆の前に颯爽と現わしたのであった。

 

 

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