#24
モウモウと…灰色の立ちこめる土煙と巻き上がる瓦礫と粉塵で阿修羅と言う名の敵と羅刹の姿は…視認出来なくなっていたのであった。
否…もはや、目をまともに開いている事すら…ろくに出来ない。
そんな劣悪な状態なのであった。
「ち…畜生ーッ!!
どこ行きやがった…アイツめーッ!」
一撃も与えられず、何も出来ないまま…相手の好き勝手やりたい放題にしてやられた事でプライドを汚された影人。
怒髪天をつく勢いで…頭に血を上らせて腹を立てている影人は…カッとなり、そう言って喚き散らすのであった。
すると…影人の耳元で阿修羅の嫌味ったらしい声が囁いたのである。
「………影人くん…
君は…とてつもなく凄まじいオーラを秘めているのだが…残念な事に私のようにパーフェクトなオーラのコントロールが出来ていないのだよッ!
それでは美しくない………
君のオーラが咲き誇る時…
その時…君は、美しい私の前に跪き醜く朽ち果てるが良いのだッ…!!
フフフフフ…ア~~ッハハハハハハッ!!」
薄気味悪い笑い声のする方向を…力任せに思い切りよく炎の剣で斬り裂く影人である。
…だが、しかし。
ブゥンッ…!!
………………スカッ!!!?
「チィッ…!!」
あまりの手応えの無さに思わず…舌を打つ影人の攻撃は、ただ空中を虚しく斬るだけであった。
『落ち着け、いきり立つな影人……
アイツの気配は…もうすでに無いぞ!』
ピシャリと嗜める朱雀の声で…冷静さを取り戻し、土煙の消えた辺りをぐるりと見回してみるのであるが、やはり阿修羅と羅刹…そして、あの怪しげな黒装束の戦闘員達の姿までが綺麗に消えていたのだった。
「んもぅ~~~ッ…!!
一体、な、な、なんなのよぅ…アイツらは~~ッ!!」
やはり…最後まで何かに驚かされている光透波であったのだった。
「オ~~~~~~~イッ!!
皆~ァ…ケガはして無いか~ッ?」
影蔵が…安否の有無を確認しようと声を掛ける。
「ハイ…大丈夫です!
皆さん…大したケガは無いみたいです。」
楓が遠くまで聞こえるように声を張り上げて呼び掛けるのであった。
その隣で…何故か、ガゥはOKサインを出しながら陽気に小踊りしていた。
「しかし…派手に暴れてくれたものじゃな~!
取り敢えず、朱雀様の彫魂神殿が無事だっただけでも良しとするかの」
哀愁がヒシヒシと漂う声色で…影蔵が溜め息混じりにポツリと呟いたのである。




