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「相談て、どうしたの」


出してくれたお茶を一口飲む。


遥花さんはそのまま湊さんの隣に座る。


澪花ちゃんは

少し離れた場所で絵を描いていた。


「引越し、したいと思って…」


「えっ、近所じゃなくなっちゃうの?」


本当に残念そうな遥花さんと


少し驚く湊さん。


悠さんにも言えていない引越しの理由。


言ったら、


嫌われてしまうかもしれない。


自分では前を向けたつもりだ。


でも、


この考えは普通じゃない気もする。


スカートを握る力が強くなる。


「あの、近くに、引っ越したいと思って…」


「職場の?」


「いえ、その…」


どう言えば良いんだろう。


どう言えば嫌われない?


そもそも、

言い方ではどうにもならないのかもしれない。


大きく息を吸い、ゆっくり吐く。


「……澪花ちゃんの、そばに」


向かいで、目を合わせる2人。


隣からは息を飲む音が聞こえる。


「澪花ちゃんを娘扱いするつもりはありません」


澪花ちゃんは娘じゃない。


私も、ままじゃない。


わかってる。


「ただ、」


わかってるけど、


「小学生になった澪花ちゃんに

そばで、おめでとうって言いたいです」


再び目を合わせる2人。


このまま縁を切られてしまうだろうか。


私だけならまだいい。


でも、私のせいで、


悠さんの幼馴染と親友がいなくなってしまう。


急に怖くなる。


何を言ってしまったんだろう。


時間が長く感じる。


やっぱり、取り消そう。


変なこと言ってごめんなさいって、


忘れてくださいって、


「駅前のマンションもう直ぐできるんだって」


関係ない話をされて反射的に顔を上げる。


そこには、


笑顔の2人。


「今の家じゃ駅少し遠いでしょう?

悠たちも、駅挟んで反対だし」


私たちの家…?


なんの話をしているんだろう。


「だから、そこ買おうかって話してて」


遥花さんたちが引っ越すのか。


じゃあ私たちは引っ越さなくても近くなる?


縁は切れない…?


「朱里ちゃんたちも、どう?」


朱里ちゃんたちも、


朱里ちゃんたちも…?


「え…?」


「遥花さん、やっぱり同じマンションは近過ぎるのでは」


「えー、でも絶対楽しいよ。悠はどう?」


「……なんでも」


「朱里ちゃんは?やだ?」


同じ、マンション。


私たちと、遥花さんたちが。


……澪花ちゃんも。


そばに、いてもいい…?


「あ、あの…遥花さんたちは、嫌じゃないですか」


「嫌じゃないよ?マンションの話は悠たちにもしようと思ってたんだ」


「学生時代はほぼ毎日一緒でしたから、まだ距離があるくらいです」


「で、でも、私がいたら別じゃ…」


3人が仲良いのは知ってる。


悠さんと遥花さんは家族みたいだし

湊さんも、2人の特別な人だ。


「朱里ちゃん」


2人が私をみている。


「悠の大切な人は、私たちにとっても大切な人だよ」


湊さんをみると頷いている。


……私も、


この中の1人だったんだ。


3人と1人じゃなく、


4人なんだ。




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