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連絡すると、あっさり予定が埋まる。
ふりだしに戻ってしまうんじゃないか。
また、傷つくんじゃないか。
澪花に冷たくしてしまったと
考え過ぎてしまうんじゃないか。
止める理由は沢山あるのに、
この小さな希望を捨てられない。
「みおかね、4さいになったの!」
「おめでとうございます。欲しいものはありますか?」
澪花と目線を合わせ話す朱里。
普通に笑っている。
ただ、仕事のような笑いなのか
本当に笑っているのか、
判断ができない。
「ゆうくんシーソーしよ!」
「…お前と俺じゃ永遠に上だぞ」
澪花はきょとんとした顔をする。
「澪花と悠じゃ、身体の重さが違い過ぎるでしょう?」
湊が説明すると理解したようだ。
「じゃあぱぱも!」
湊と俺の手を取り、歩き出す。
思わず朱里をみると
笑って手を振っている。
不安は残る。
俺は何もできなかった。
でも
遥花なら。
何か変わるかもしれない。
まだ、
小さな希望を手放したくない。




