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あれから、リビングは徐々に音がなくなっていった。
もともと朱里がテレビをみていて、
横で仕事をしていることが多かった。
日常は変わらない。
会話もするし、夕飯を作って待っていてくれる。
ただ、部屋が静かなだけ。
本当に、これが正しかったのだろうか。
あの時の朱里を見て
止めるしかないと思った。
それは今でも変わらない。
それでも、
もっと別の選択ができていたら。
今もリビングは賑やかなままかもしれない。
朱里が笑っていて、
その隣に
小さな椅子があったかもしれない。
もし、なんて
考えても仕方ないことはわかってる。
もう終わったことだ。
わかってる。
わかってるのに、




