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細い身体が胸に当たる。
体温が近い。
それだけで、息がうまく吸えなくなる。
守りたかった。
そのはずだった。
なのに。
腕の中で泣いている。
肩が震えるたび何かが削れる。
遅かったのかもしれない。
ここまで来る前に止められたんじゃないか。
分からない。
分からないのに、その考えが消えない。
胸元を掴まれぐっと引き寄せられる。
息が詰まるほど近い。
縋るみたいに重さが預けられる。
その重さに、逆に縋っているのは自分だと気づく。
離れたら、全て壊れてしまいそうで。
怖い。
守れないことが怖い。
失うことも怖い。
どっちが先なのか分からない。
腕に力が入る。
強く抱きしめるしかできない。
言葉は浮かばない。
慰めも、正解も、何一つ。
ただ、ここにいる。
それしかできない。
それでも。
それをやめたら、本当に終わってしまう。
目を閉じる。
泣き声が胸に響く。
抱きしめたまま、動けない。




