↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代異能バトル漫画のヒロインにTS転生したけど人生めちゃくちゃです  作者: 小野千春


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
14/16

第14話

 カップ麺も食べ終えて、少し伸びをする。腹を満たすとちょい眠くなってきたな。


「ん~と、一応さ、私には私の生活があるから。だからダンジョンに潜りっぱなしってわけにはいかないとだけ、言っておくね」


『あぁ、それは勿論!助けに来てくれるなら、気長に待ってるよ!』


 と言われた。気長にか。なんか一応私の生活があるとは言ったけど、別にそんなにないな。学校もあんま行ってないし。もうあと5日くらいで夏休みだし、残り全部さぼっていいかな?いいよね。で、夏中潜ってたらいけるかな?


 滅多に開かないメッセージアプリを開く。私と氷華と蓮夜の3人のグループを開くと、2人が学校の課題のこととか、いろいろとやり取りをしている。「夏休みまで残り全部さぼりまーす」とメッセージを打ち込んで、そのままアプリを閉じた。


 さすがに怒られそう。家帰ろっと。


『ありがとう』


 エルヒムからそう言われた。思念を読んでるんだったな。内心は全て読まれていると思ったほうが良さそうだ。



 ゲートハウスの鍵を閉めて、家までの道のりを歩く。


『さっき操作していた物をみて、高度な文明社会かと思ったけどそうでもないみたいだね』


 失礼な。


「ここが特別すんごい田舎なだけで、都会にいくとすごいから。高度文明社会ですから」


 と人類のメンツを保ってやる。確かにここらは道路も土だし、家も木製だ。


 家に帰るとおばあちゃんはどこかに出かけていた。まだ日は高いけど今日はもう寝ようかな。敷きっぱなしの布団に風呂も入らず寝転がると、いつの間にか眠っていた。






「エルヒム、いる?」


 起きたときに『おはよう』と言われて以来、いまだに話しかけてこないエルヒムに問いかける。


 ちなみに起きて、おばあちゃんと夕食を食べて風呂に入ってまたダンジョンに来ている。完全に生活習慣が崩壊しているが、これは時間の流れに差のあるダンジョンに潜る人間にはしょうがないことだ。夜起きてても暇だし、来てみた。


『いるよ。どうしたの?』


「いや、なにしてるのかなって」


『あぁ、ごめん。先に断っておけばよかったね。ライカの記憶をずっと遡ってみてたんだよね』


「はぁ!?そんなことまで出来るの?先に言ってよ!」


 ぐっ、と心臓がすくむ。そんなことまでできるのか。っていうことは…


『あぁ、ごめん。そうだよね、先に言っておけばよかったね。それでさ、驚くべきことに気付いたんだけど、ライカってなにかこう、なんていうかその世界の上位存在みたいな感じなの?』


「どこまで読んだの」


『えーっと、ライカが男だったこと。恐らく転生したこと。大雑把に転生したあとのこと。そして、氷華ちゃんと蓮夜くんに会ったときの驚き、気付き。ライカが前世と呼んでいる世界で読んでいた物語の世界が、この世界であること。そして、両親と死別したこと。その時にライカがなにを考えていたか。ライカが都会と言っていた場所の風景。通っていた学校と、今通っている学校。友達。仕事仲間』


 鳥肌が立ってきた。


「あーもういい!もういいから!ほとんど全てを読んだってことね!」


『いや分かってる。傷つけたよね、ごめん。でも、正直に言ったほうがいいかなと思って。僕はもう何百年も刺激のない状態だったせいで、覗き始めるととまらなかったんだ』


「だから、もういいって!ちょっと黙って!」


 はぁ、マジか。思わず石造りの壁に寄りかかって座り込む。全部見られたのか。しかも、どこの誰かも分からない存在に。そして今こうして考えていることまで読まれている。


 起き上がって、腕輪から一振りの西洋剣を取り出す。そして、ダンジョンの地面に身体強化して突き刺した。


 手を放して、また壁を背もたれに座り込む。


 聞こえる?と念じる。


『聞こえてるよ』


 マジかよ。


『もうちょっと離れたら聞こえなくなるよ』


 と言われたので、起き上がって10mほど離れる。聞こえる?と念じても返事はかえってこなかった。


 はぁ。どうしよ。どうするか。考えがまとまらない。いや、でも異界人だからいいのか?別に。今まで転生者なんてのはもちろん誰にも言ってこなかったし、家族や友達には絶対知られたくないことだった。でも、よくわからないダンジョンの奥にいる推定ダークエルフっぽい奴なら別にいいのか?


 そして親が亡くなった時のことまで読まれたらしい。これにはさすがに苛つく。デリカシーが無いとか、そういうレベルじゃない。私の触れてほしくない事柄と、その時の内心を勝手に読まれている。


 くそ。どうする。もうどうせ、読まれたんだからと開き直るか?


 刺激のない状態が何百年か…。想像を絶するが、狂わないのだろうか?それなら仕方ないのか?


 いろいろとぐるぐると考えた結果、もうどうでもいいや、となった。


 地面に突き立った剣に近づいて告げる。


「次に両親の話をしたらあんたをダンジョンの奥地に捨ててくるから」


『分かった。よく分かったよ。二度と触れない。ごめんね』


「あとは、過去の記憶を読む前に一言断ること」


『それも了解』


「勝手に内心を読まないこと」


『それは厳しいというか、無理だ。勝手に聞こえてくるような、そういう仕組だから』


 はぁ、じゃあいいか。記憶を読むのと内心を読むのは違うのか。


『そうだよ』と内心に返事をされた。クソっ。


 剣を持ち上げて腕輪に仕舞う。そのまま奥に向けて歩き始める。


 単体のゴブリンがいたので剣を取り出す。軽く口笛を吹いて気づかせてから、剣を振りかぶる。上から剣が振り下ろされると分かっているゴブリンは、棍棒を頭上に盾にして走ってきているがそれごと叩き切るイメージで振り下ろした。


 スパン、と棍棒ごと一刀両断になったゴブリンが血しぶきをたてながら私にぶつかって左右に割れた。うぇぇ、気持ち悪っ。早く光になってくれ。しばらく固まって待っていると、血しぶきごと光となって魔石だけが残った。


「ふぅ、ゴブリン程度じゃ完全にオーバースペックだね」


『なかなかいい武器でしょ?』


 軽い調子で返ってきた。


「まぁね」


 1層で試し切りでもしようかと思っていたけど、10層まで転移しようかな。そう思って引き返すことにした。


 転移の間でクリスタルを触って、転移した。実時間にして8時間ぶりくらいの、10層だ。


 外で調べた限りでは、ここまでの記録しか残ってなかったので、完全にここからは情報も無しの初見攻略だが、恐らくオーソドックスなタイプだと30層くらいまでは浅層なので全然大丈夫だろう。


「10層のゴブジェネからこの剣がでたってことは、エルヒムも近くにいんの?」


『いや、全然遠いよ。まだまだ奥だね。本来はその剣がドロップするはずのない敵だったんだけど、長い年月を掛けていろいろと弄って、僕がもってた剣と僕とを繋いで、剣を適当なダンジョンの一番浅いところのボスが落とすようにしたんだ』


 で、私が拾ったと。すごい偶然だな。いや、偶然なのかな?実は原作であったりすんのかな?こういう展開。雷火がおばあちゃんの家に帰省して、そこで間引きを頼まれる。夏の間だけ、とか言われて。んで剣を発見、みたいな?


 ありえなくもなさそうだ…。


『たしかに、ありえなくもなさそうだね』


 はいはい。そうですね。


「帰省とか、そういうお約束、とか分かるの?」


『ごめんね、と先に謝っておくけど、記憶を読むのって追体験に近いんだよね。だから、ライカのことは大分理解できたとおもうよ。あ、もちろん心情じゃないよ。ライカの考えている事や言ってることの意味が理解できるって事』


 なんか気を使われてるな。まぁいいか。


「ドロップをイジるとかできるんだったら、なんかいい装備が落ちるようにはできないの?」


『それはちょっと難しいね…。あ、でも!そいつが何を落とすかは分かったりするよ!例えばさっきのゴブリンのレアドロは棍棒だよ!』


 おお?なかなかいいんじゃないか?こいつのことはアナライザーと呼ぼう。


『エルヒムだよ』と返ってきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。