第2章 占い師としての日々 第1話「独立と助手」
「店を出すって大丈夫なんですか?」
「ああ、もう代わりの吟遊詩人は雇った。もうウチもだいぶ儲かったしな。で、隣の店が潰れてそこを買ったから。そこでお前が占い師としてやっていって、ウチに賃料毎月払ってくれさえすればいいから、独立してみないか、って話だ。」
「ええ、、、。私、1人で店切り盛りしたことないんで自信ないですよ、、、。」
「なあに、大丈夫だ。俺はこれでも人を見る目はちゃんとある。お前ならやれるさ。あとは人手とかじゃないか?たしかにシュンゴ1人で店にこと全部やるのはキツそうだからな。」
「、、、それなら私が手伝う。」
リーセが静かに手を上げた。
「お、おい。リーセ、、、。お前、店の経理の仕事は大丈夫なのか?」
「シュンゴ、経理の仕事は計算するだけ、、、。他の作業は別の人にやってもらってるから大丈夫。それよりシュンゴの占いに興味がある。」
「そうなのか?ジェイクさん。リーセがこう言ってますが、大丈夫なんですか?」
ジェイクは豪快に笑った。
「全く問題ねえよ。リーセは仕事を楽にしてくれるし。これくらいの要望くらいなら可愛いもんだ。で、シュンゴ、、、。お前はどうなんだ?」
シュンゴは手を握りしめた。
「私は、やってみたいです。上手く言えませんが、自分がどこまでできるか、試してみたいです。」
「よく言った。それじゃあ来月から出店だから、お前は軽く引き継ぎして、あとは店の準備をしといてくれ。」
「わかりました。」
ジェイクが去り、リーセと2人きりになった。
「リーセ、、、。私の占いのどこに興味があるのかな?」
リーセは顎に手を当てて少し考えた。
「、、、人のことをよく知りたいから。」
「私は人と自分がどこか違うことを知っている。でも、なぜだかわからない。シュンゴの占いはそれを知る手がかりになるかもしれない。」
「、、、私の占いはあくまでも雑な仮説を立てる手段でしかないよ。必ず未来や人の心を当てる占いは存在しないんだ。」
「それが普通。私たちは不完全なレンズで世界を見ているから。」
「、、、わかった。それじゃあ、私にできる範囲でリーセに占いを教えていくよ。よろしくね、リーセ。」
「わかった、、、先生。」
シュンゴは少しこそばゆい感覚になったが、不思議と悪い気分にはならなかった。
(しかし、出来損ないだった私が先生と呼ばれる日が来るとは、、、。あの頃の私が聞いたらどう思うんだろうな、、、。)
ま、開店準備に向けて頑張っていこう!
シュンゴは前を向いて暗くなってきた夜空を窓から見つめて、気持ちを切り替えた。




