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第1章 吟遊詩人で占い師 第4話 出会いと変化

シュンゴが占いをジェイクの店で始めて1ヶ月経った。この街での知り合いも少しずつ増え、シュンゴも街の地理について多少は詳しくなっていった。

「いや、しかし吟遊詩人として、というよりもう既にだいぶ占い師だよなあ、、、。」

最近はこうして休日らしい休日も散歩できるくらいの余裕ができてきた。

気づけばちょっと柄の悪い地域へと近づいてきた。

「引き返すか、、、。」

ふと気づいたが青髪の少女が男たちに取り囲まれている。シュンゴはバレないような距離で様子を伺っていた。

「おい!お前、金目のものはあるか?無ければお前、金なりそうだから売ってやるよ!」

「生憎、金目のなるものはありません。私があなた方に失礼があれば何らかの形で補償しますが、特に私はこの街のことを知りたいと思い、調査していただけです。何か失礼があれば謝ります。ですので道を開けていただけますか?」

男たちは呆れて頭を掻きつつ、手元にある本を見た。

「おい、お前のその手の本、荘重から見るに高価なもんじゃねえか?それをよこせ!そうすればお前を人買いに売らねえようにしてやるよ。」

青髪の少女はキッと男たちを睨み、本を両手で強く抱きしめた。

「あなた方のようにこの本の価値がわからない方には、いくら金銭を積まれても渡す気にはなりません!」

青髪の少女は男たちに向けてスプレーのものをかけた。悶絶している男たちをおいて、ひたすらに逃げ始めた。

「しかし、やってることはいいのだが、、、。走るの遅くないか?」

せっかくの行動が身体能力さを元に縮まっていく。

「しょうがないか、、、。」

私も無一文で救われた身だ。たまにはこういう人助けもやってもいいだろう。

「待てや、悪党ども!!」

シュンゴは叫んだ。男たちは振り向いた。

「なんだ、お前は!!」

シュンゴは正直にさりげなくハンドシグナルを出した。そっちへ向かって急げ、と。ちょうどその方向には自警団の詰所がある。

「お前たちに良いものをやる。ほらこれだ!」

「なんだ?これは。ただの石ころじゃねえか!舐めてんのか!」

シュンゴは呆れたようにため息をつき、こう言い放った。

「さすがにお前らでもわかると思ったんだがな、、、。それは金貨に使われる金の原石だ。価値はざっと見積もって金貨300枚分だぞ。そんなこともわかんないのか!?」

悪党どもは目の色を変えた。

「マジか!そんなら早く換金に行かねえと!へへ、、あんな貧相な女を売るよりもこっちの方が金にはなるわな。サンキュー兄ちゃん。おい行くぞお前ら!」

「しかし、兄貴。この男が嘘をついている可能性も、、、。」

シュンゴはニヤリと笑ってこう言った。

「おいおい、今何時だと思う?午後の4時だ。午後の5時には締まるんだぞ。実は私は金の両替を本職にしているんだが、明日には金の価値が国の情勢の悪化で暴落する可能性が高いんだ。早めに行っといた方が得だと思うぜ、、、。」

「、、、。やっぱり怪しいですよ、兄貴。」

「そう思うか思うわないかはあんたら次第さ。ただ、今の話を棒に振ればお前たちの金も、ひょっとしたら命も、無駄になるかもしれないけどな、、、。」

遠くに自警団らしき足音と声が聞こえてきた。悪党どもは慌てて逃げていった。

「やれやれ、、、。」

腰が抜けた。自分でもよくこんな嘘がつけたものだ。

自警団に軽く事情説明をし、帰っていただいた。

「さて、私も帰るか、、、。」

職場の前に青髪の少女がいた。

「、、、なぜ、私を助けたの?」

シュンゴは頭を掻いた。

「お前が困っていそうだったから。私もいろんな人に助けられて今がある。なんか放っておけなかったんだよ。」

「理解できない。誰もが自分の命を第一に考える。あの悪党もそう。あなたもそうじゃないの?何か私を助けることでメリットがあったの?」

「メリットも何も無いよ、、、。そうだな。強いて言うなら、そういう困ったやつを見て見ぬふりをしていると、自分の中にある大切な何かが無くなってしまうように感じただけだよ、、、。」

青髪の少女は少し考えてこう言った。

「私の名は、リーセ・カーフィンドル。リーセでいい。あなたの名前は?」

「私は、シュンゴ・グラナイト。よろしくな、リーセ。この街の住民の1人として歓迎するよ。お前はおそらく他のところから来たんだろ?普通はこの街の住人はあんなところ治安悪くて行かないからな。」

「シュンゴは少し話がわかる人みたい、、、。そう、私は訳あってこの街にやってきた。特に住処も仕事もなくふらついていた。」

リーセのお腹が鳴っていた。シュンゴは失礼の無いように努めて夕食に誘った。

「、、、美味しい。特にこのりんごとローストチキンの組み合わせの料理は深みのある味わいで美味。」

「、、、喜んでくれたならよかった。それにしてもリーセ、、、よく食べるね。」

「3日、食べてなかったから。」

「3日!!よくそれで大丈夫だったね。仕事は、、、どうしよう。アンジェさんに相談してみるか、、、。」

「アンジェ、、、?この街の領主の娘のこと?」

「えっ!そうだったんだ、、、。そう言えば確かに苗字がそうだったような、、、。うわ、私って結構失礼なことしてたんじゃ、、、。」

「シュンゴ、抜けてる、、、。」

「おいおい、シュンゴ!いつの間に彼女なんか作ったんだ?」

「ジェイクさん、違いますよ。人助けした相手と食事しているんです。この子は私と同じで無一文に近い形でこの街へと来たみたいです。」

「ああ、なるほど。そういうことか、、、。それならシュンゴ!お前が明日、アンジェのところへ行って、その子へ仕事を紹介する際の仲介をしてやれ。その日はお前の仕事は休みにしてやる。行ってきな!」

「ありがとうございます!」

「、、、ジェイクさん、すごくいい人。」

「おいおい褒めても何も出ねえぜ。支払いは全部シュンゴ持ちだからな。シュンゴを乗せてやってたくさん食べた方がいいぜ!」

「勘弁してくださいよ、ジェイクさん、、、。」

「シュンゴ、弄られすぎ、、、。」


次の日、別室で泊まっていたリーセと合流し、アンジェのいる自警団の詰所へと向かうことにした。店の入り口でシュンゴは少し気になってリーセに話しかけた。

「なんか緊張するなあ、アンジェさんとは仕事の紹介について相談した時以来だ。」

「シュンゴ、、、。アンジェさん、苦手?」

「えっ!いやいや、そんなことは無いよ。むしろ立派な人過ぎてちょっと会うのが怖くなってるだけだよ、、、。」

「アンジェさんはアンジェさん、シュンゴはシュンゴの魅力があると思う。少なくとも私はそう感じている。シュンゴはアンジェさんより強くないのに私を助けてくれた。それでいいんじゃない?」

シュンゴはハッとした。なかなか鋭いな、この子は。

「ありがとう、リーセ。じゃあさっそくアンジェさんのところへ行くか!」

「、、、そうね。シュンゴってちょっと面白いね。賢さと人間味が同居してるみたい。」

「リーセ、、、。君はいろいろと聡い子だね、、、。」

とりあえず立ち話も本当に長くなりそうなので、シュンゴは脚を動かして歩いた。リーセもそれに従って歩き、今度こそアンジェの詰所へと向かった。

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